山形コミュニティ新聞WEB版

女性の美と健康

手のお話(下)

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 これまでに2回、手の働きや手の疾患などについて解説してきましたが、その反響の大きいこと。改めて手に関してお悩みの方が多いことに驚いている次第です。

ばね指やドケルバン病も

 40歳以上の女性に多く見られる手の疾患として前回ご紹介したのが「変形性関節症」で、第一関節にできるヘバーデン結節と、第二関節にできるブシャール結節がありましたね。
 実はこれ以外に、指の曲げ伸ばしが障害される「ばね指」や、親指を伸ばすと手首が痛む「ドケルバン病」、あるいは手がしびれる「手根管症候群」などもあります。

エストロゲンの減少で

 これらの原因の多くは、これまで言われてきたような「歳のせい」「使いすぎ」ではなく、女性ホルモン(エストロゲン)の減少という更年期障害ということが明らかになっています。
 エストロゲンには関節周囲や腱の腫れを抑える働きがありますが、更年期でエストロゲンの分泌が低下するとこの働きが失われ、結果として痛み、腫れ、変形が生ずるというわけです。

有効なホルモン補充

 ですので、治療としてはエストロゲンを補充するホルモン補充治療(HRT)が有効とされます。ただ、薬局に行って「エストロゲンをください」と言っても買えるわけではありません。医療機関を受診し、診察を受けたうえで処方してもらう必要があります。
 また、関節の補液作用のある漢方薬を併用して治療すると効果が上がるケースもあります。

サプリメントも

 既往症がありHRTを使えない場合、エストロゲンと同様の働きをするエクオールというサプリメントもあり、これは男性でお悩みの方も使用できます。

セントラルクリニック 院長

村山 一彦(むらやま かずひこ)

山形市生まれ。埼玉医科大学を卒業後、同大病院、篠田総合病院を経て2004年に産婦人科を中心とするセントラルクリニックを開院。社会福祉法人・慈風会の理事長として特別養護老人ホーム「なごみの里」、認可保育所「はらっぱ保育園」も手がける。

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