山形コミュニティ新聞WEB版

女性の美と健康

帯状疱疹

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 帯状疱疹(たいじょうほうしん)の患者数が全国的に増加しています。

痛みや水ぶくれを伴う

 帯状疱疹とは、水痘(水ぼうそう)と同様に水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)を原因とする病気で、神経に沿ってピリピリ、チクチクするような痛みを伴い、発赤や水疱(水ぶくれ)ができる疾患です。
 人により顔面神経麻痺や視力障害、帯状疱疹後神経痛と呼ばれる痛みが生じることもあります。

80代の3人に1人が

 帯状疱疹は子どものころに水痘にかかった人が罹患します。水痘が治ってもその原因のVZVは体内に潜伏し続け、ストレスや免疫低下、加齢などにより再活動し、帯状疱疹が発生するのです。
 特に50歳代から急激に増加し、80歳までに約3人に1人が発症すると言われています。

副反応が軽い生ワクチン

 帯状疱疹の予防にはワクチン接種が有効です。ワクチンは2種類で、ひとつは子どもの水痘予防ワクチンと同じ「生ワクチン」で、皮下注射1回で発症予防効果は約50%とされています。
 ただ抗がん剤や免疫抑制剤(ステロイド)などを使っている人には接種できません。副反応は接種部の痛みや腫れと軽いものの、5年ほど過ぎると効果は薄れます。費用は8000円~1万円ほどです。

効果なら不活化ワクチン

 20年からはウイルス成分の一部を合成した「不活化ワクチン」も登場しています。こちらは筋肉注射2回で、90%以上の予防効果があり、9年後も有効とされています。
 一方で生ワクチンと比べ接種部位の痛み、腫れが多く、疲労や筋肉痛、頭痛など副反応が指摘されています。費用は約4万円と高くなりますが、後々のことを考えれば不活化ワクチンがお勧めでしょうか。

セントラルクリニック 院長

村山 一彦(むらやま かずひこ)

山形市生まれ。埼玉医科大学を卒業後、同大病院、篠田総合病院を経て2004年に産婦人科を中心とするセントラルクリニックを開院。社会福祉法人・慈風会の理事長として特別養護老人ホーム「なごみの里」、認可保育所「はらっぱ保育園」も手がける。

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