山形コミュニティ新聞WEB版

女性の美と健康

冷え性

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 寒さが増してくるこれからの時期、冷え性の方は特にツラい思いをされていることと思います。

全国には専門外来も

 冷え性は西洋医学では病気とは捉えておらず、統一的な定義も確立していませんが、東洋医学(漢方)では体が冷えているのか、熱いのかは重要なポイントです。体が冷えると免疫力が落ちたり、血の巡りが悪くなったりして様々な病気を引き起こすことが考えられるからです。
 こうした観点から「冷え性専門外来」を設ける病院も全国各地に存在しています。

診断基準は?

 漢方における冷え性の診断基準ですが、重要項目として(1)他の人に比べ寒がりだと思う(2)腰、手足等の体の一部分に冷えを感じる(3)冬になると電気毛布やカイロを使う――などです。
 冷え性による様々な病気としては便秘、しもやけ、腰痛、腹痛、肩こり、肌荒れ、神経痛などが指摘されています。

原因には諸説が

 冷え性の原因としては遺伝、食生活などの生活習慣、運動不足やストレスなどが指摘されていますが、完全に究明されたわけではありません。
 女性に多く見られるのも冷え性の特徴です。男性に比べ女性は皮下脂肪が多く、脂肪はいったん冷えると温まりにくい性質があります。
 また体温を保つための熱の多くは筋肉によって生み出されますが、女性は男性より筋肉が少ないうえ、筋肉がつきにくい構造になっているからという見方もあります。

漢方薬で治療も

 最後に、冷え性を単なる冷えと思って放っておくと重篤な病気につながる恐れもあります。漢方では冷え性は疾病であり、漢方薬による治療が推奨されています。

セントラルクリニック 院長

村山 一彦(むらやま かずひこ)

山形市生まれ。埼玉医科大学を卒業後、同大病院、篠田総合病院を経て2004年に産婦人科を中心とするセントラルクリニックを開院。社会福祉法人・慈風会の理事長として特別養護老人ホーム「なごみの里」、認可保育所「はらっぱ保育園」も手がける。

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