山形コミュニティ新聞WEB版

女性の美と健康

膀胱炎

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 膀胱炎とは膀胱内に細菌が侵入し、増殖して炎症を起こす病気です。特に女性に多く、5人に1人は罹患したことがあると報告されています。

その症状は?

 膀胱炎の症状には①排尿時や排尿後の痛み②残尿感③頻尿④尿が白く濁る白濁尿⑤血尿――などがあります。
 基本的に発熱症状はありませんが、①~⑤のような症状があり、発熱や腰背部痛があった場合は膀胱の細菌が尿管を上昇し、腎臓に達して「腎盂腎炎」という病気になっていると考えます。

女性が罹患しやすく

 女性が膀胱炎に罹患しやすいのは、細菌は尿道を伝って膀胱内に侵入しますが、女性の尿道の長さは4センチと男性に比べ5分の1しかないことに起因しています。 
 また細菌は肛門に付着していることが多く、女性は肛門と尿道口の距離が短いため細菌が侵入しやすくなっています。

主な原因は大腸菌

 原因菌としては大腸菌が80%までを占めます。治療には従来は抗菌薬(抗生物質)が使われていましたが、困ったことに、最近は抗菌薬が効かない大腸菌が増えてきています。その多くは2000年以降に世界で大流行した「ESBL産生菌」とみられ、従来は有効だった抗菌剤の98%が無効とされます。
 ですので、どの抗菌剤を使うかが非常に難しくなってきており、治療が長引く恐れも出ているのが現状です。

予防するには

 というわけで、大切なのは罹患しないことに尽きます。①トイレを我慢しない②水分補給はこまめに③体を冷やさない④性交後はすぐ排尿する⑤排便後は前から後ろに拭く⑥生理用ナプキンのこまめな交換――などを心がけましょう。

セントラルクリニック 院長

村山 一彦(むらやま かずひこ)

山形市生まれ。埼玉医科大学を卒業後、同大病院、篠田総合病院を経て2004年に産婦人科を中心とするセントラルクリニックを開院。社会福祉法人・慈風会の理事長として特別養護老人ホーム「なごみの里」、認可保育所「はらっぱ保育園」も手がける。

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