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コロナワクチン

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 新型コロナウイルスのワクチンを巡る様々な情報が流れています。

そもそもワクチンとは

 そもそもワクチンとは毒性を弱めたり、なくしたりした“疑似ウイルス”で、これを接種することで体内の免疫に病原体の特徴を覚えさせ、本物の病原体に感染した時に備えます。
 ワクチンには毒性を弱めた「生ワクチン」と毒性をなくした「不活化ワクチン」があり、はしかや風疹などには前者が、インフルエンザ、日本脳炎、ポリオなどには後者が使われます。

新技術を駆使して

 これに対し、米ファイザーと米モデルナが開発したのは疑似ウイルスは用いず、ウイルスの遺伝情報を基に作った「メッセンジャーRNA(mRNA)ワクチン」で、接種すると体内では人工的に新型コロナのたんぱく質を作り出します。 
 一方、英アストラゼネカが開発した「ウイルスベクターワクチン」は、風邪の一種であるアデノウイルスに新型コロナウイルスの遺伝子情報を搭載したもので、接種することで体内に抗体を作らせる仕組みは同じです。

留意点も

 これらコロナワクチンに対する期待は高まりますが、留意点もあります。通常ワクチン開発には10年近い年月が必要ですが、今回は約1年で認可承認という早さです。
 しかもmRNAウイルスが人に実用されるのは初めて。ウイルスベクターワクチンは人への実用実績はありますが、高齢者に対する有効性が一部で疑問視され、高齢者への接種を奨励していない国もあるようです。

引き続き情報収集を

 何よりアナフィラキシーショックなど副作用の心配もあり、医療従事者として、引き続き情報の収集に努めていきたいと考えています。

セントラルクリニック 院長

村山 一彦(むらやま かずひこ)

山形市生まれ。埼玉医科大学を卒業後、同大病院、篠田総合病院を経て2004年に産婦人科を中心とするセントラルクリニックを開院。社会福祉法人・慈風会の理事長として特別養護老人ホーム「なごみの里」、認可保育所「はらっぱ保育園」も手がける。

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