コロナワクチンの副反応
県内でも新型コロナワクチンの接種が始まりました。ワクチン接種を巡ってはしばしば「副反応」の問題が取り沙汰されますが、「副作用」とどう違うのでしょう。
副作用との違いは?
結論から申し上げれば、副反応と副作用は英語では同じ「side・effect(サイド・エフェクト)」という言葉が使われているように同じ意味です。
それが日本では薬害の歴史などもあり、治療に使う薬では「副作用」、ワクチンの場合は「副反応」と分けて呼ばれているだけのことです。
つまりワクチンの副作用とは、ワクチン接種後に生じる副作用と考えていいでしょう。
アナフィラキシーショック
新型コロナワクチンの副反応には、接種したところが痛い、赤くなる、腫れる、発熱、倦怠感などが挙げられます。
これらは軽度ですが、深刻な副反応に「アナフィラキシーショック」と呼ばれるアレルギー反応があります。
症状は深刻
アナフィラキシーショックはワクチンだけでなく、そば、牛乳などの食物や、蜂や蟻などによる虫刺されによっても引き起こされます。
症状は血圧の低下や失禁、めまい、全身の痛み、意識障害、けいれん、呼吸困難、不整脈などで、最悪の場合は死に至ることもあります。アナフィラキシーショックが疑われたら直ちに迅速な治療が必要です。
恐れすぎると…
ただ米国の統計ではアナフィラキシーショックを発症したのはワクチン接種者100万人中約11人。過度に恐れるあまり、ワクチン接種を回避するのは考え物。過度の懸念や対応は社会に大きな損失と負担をもたらしかねません。
セントラルクリニック 院長
村山 一彦(むらやま かずひこ)
山形市生まれ。埼玉医科大学を卒業後、同大病院、篠田総合病院を経て2004年に産婦人科を中心とするセントラルクリニックを開院。社会福祉法人・慈風会の理事長として特別養護老人ホーム「なごみの里」、認可保育所「はらっぱ保育園」も手がける。