山形コミュニティ新聞WEB版

女性の美と健康

梅毒

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 主に性行為でうつる梅毒の感染者数が9月時点で8000人超に達し、統計開始の1999年以降で最多となりました。

感染者8000人超!

 「コロナ禍なのにどうして?」という疑問の声が聞こえてきそうですが、SNS(交流サイト)の普及などを背景に、不特定多数との性行為が増えていることが原因とみられています。
 また、梅毒に感染しても目立った症状がないこともあり、そんな場合は本人も医師も気づきにくいもの。感染したまま放置して性交渉に臨んでしまうケースも感染者数の増加につながっているようです。

新薬も登場

 症状のあるなしに関わらず、梅毒に感染しているかどうかは血液検査で分かります。梅毒の治療法はペニシリン系の抗菌薬で、1日3回、4週間ほど服用します。
 また今年1月、世界標準とされる「ベンジルペニシリンベンザチン筋注製剤」が国内でも使用可能になりました。尻の上部にある筋肉に1回だけ注射すれば済みますが、まれに副作用が出ることもあります。

男性67%、女性32%

 ひと昔前は、梅毒といえば同性愛者の方に多く見られましたが、昨今は幅広い層に広がっています。今年1~7月の分析では男性67%、女性32%で、20代が34%、30代が22%、40代が20%となっています。

心配な方は検査を

 梅毒は局所的な感染症ではなく、全身を脅かす命に関わる感染症です。
 江戸時代の川柳に「どら息子、親の目盗んで、鼻が落ち」というのがあります。これは梅毒により鼻中隔にゴム腫が生じて崩れる鞍鼻(あんび)という状態を詠んだものです。
 心配な方は早期の検査をお勧めします。

セントラルクリニック 院長

村山 一彦(むらやま かずひこ)

山形市生まれ。埼玉医科大学を卒業後、同大病院、篠田総合病院を経て2004年に産婦人科を中心とするセントラルクリニックを開院。社会福祉法人・慈風会の理事長として特別養護老人ホーム「なごみの里」、認可保育所「はらっぱ保育園」も手がける。

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