山形コミュニティ新聞WEB版

女性の美と健康

医療従事者に理解を

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 新型コロナウイルスが猛威を振るっています。カミュが小説「ペスト」で描いたように、不条理な極限状態の中にあっても人々の友愛や連帯を大切にしたいものです。ただ現実には一部の人々の心はささくれ立ち、医療従事者が中傷や風評など理不尽な被害を受けています。

看護倫理学会が声明

 日本看護倫理学会の声明によれば、一部の職員に陽性反応が出た医療機関では職員の子どもへの偏見、いじめなどが見受けられます。学校や幼稚園・保育園への登校・登園に制限がかかることも。職員がタクシーの乗車拒否にあったり、引っ越し業者からキャンセルを告げられたりする事例もあるとか。
 また患者から受診拒否、手術の拒否や延期、転院などの要望が重なり、外来患者や手術などが減少しています。

理不尽な扱いの数々

 コロナとは無関係の患者も、転院を受け入れる病院が見つからない、かかりつけ医が関係継続を拒むといった理由から、退院後の療養確保が難しくなっています。
 またコロナ陽性患者を最初に診た診療所が嫌がらせの電話を受けたり、いたずら書きをされるケースもあるそうです。

訪問介護も受難

 訪問介護ステーションでも、「職員全員が陰性という証明がない限り体に触れてほしくない」「訪問してくれるな」と訪問介護を拒否する事例が起きています。
 さらには社名の入った車の前で「なぜ看護師が外を歩いている!?お前のせいで感染が拡がるから歩くな!」と見ず知らずの人に罵声を浴びせられることもあるとか。

ご理解ください

 医療従事者には与えられた仕事があります。命がけの仕事です。どうかご理解ください。

セントラルクリニック 院長

村山 一彦(むらやま かずひこ)

山形市生まれ。埼玉医科大学を卒業後、同大病院、篠田総合病院を経て2004年に産婦人科を中心とするセントラルクリニックを開院。社会福祉法人・慈風会の理事長として特別養護老人ホーム「なごみの里」、認可保育所「はらっぱ保育園」も手がける。

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