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編集長インタビュー

うまのすけカフェ(山形市) 代表 高橋 千秋さん

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高橋 千秋(たかはし・ちあき)1959年(昭和34年)山形市生まれ。城北高から山形女子短期大に進み、卒業後、県立やまなみ学園(長井市)、総合コロニー希望が丘(川西町)などを経て86年に向陽園(山形市)へ。2005年、同園内で馬との触れ合いを通じて障害者などの心を癒すホースセラピー実践のための「まいんどパーク」を立ち上げる。18年に同園を退職後、22年3月、みはらしの丘で馬と触れ合える「うまのすけカフェ」をオープンさせた。07年から開催されている「日本一たのしいやまがた馬まつり」の実行委員長も務める。63歳。

ホースセラピーの癒し効果
 老若男女に知ってもらいたい

――「うまのすけカフェ」、オープンして1年ですね。

オープンして1年

 「カフェには平日はポニーの『ロイ』とミニチュアホースの『ボブ』のどちらかがいて、土日は2頭がそろいます。餌やり、乗馬、引馬が体験できる全国でも珍しいカフェとして話題になり、おかげさまで昨年3月からの1年間で延べ3万人が訪れてくれました」
 「ただ季節によって集客には波も。大型連休に1日400~500人が押し寄せて喜んでいたら、雪が積もる冬場はゼロの日も(苦笑)。スタッフは私と姉、娘、友達の4人。家族経営です」
――ホースセラピーに取り組むきっかけって?

馬の癒しの力に衝撃

 「向陽園で働いていた2001年、以前に勤めていた『総合コロニー希望が丘』がホースセラピーを取り入れたと聞いたんですね。それで利用者と訪ねてみたところ、それまで笑ったことがない利用者が馬に乗った途端満面の笑顔になって!」
 「馬が持つ癒しの力に衝撃を受けた瞬間でした。その後、定期的にコロニーを訪れるようになりましたが、『向陽園でもできないか』『身近に多くの人が笑顔になれる場が欲しい』と考えるようになったんですね」 
 「それで上司と相談する一方、宮城県にある牧場に通い、馬の乗り方や調教などのスキルを学んだうえで、向陽園に『まいんどパーク』を立ち上げました」
――凄い行動力!

早期退職して開店準備

 「でも雇われの身で(ホースセラピーに)取り組むって限界もあるじゃないですか。いつかは自分が施設を持ってやってみたいと思っていたところ、みはらしでカフェができそうだと聞いて」
 「矢も楯もたまらず向陽園を早期退職、設立に奔走して何とかオープンにこぎつけたと。コロナの影響で予定より2年遅れちゃいましたけど」
――馬の持つ癒しの力ってそんなに?
 「海外では医療リハビリに馬が積極的に活用されていて、それは感受性豊かな馬の性質が関係しているとされます」
 「群れで行動する馬は瞬時のことを敏感に察知する能力がある。癒しを求めている人には、それに寄り添う優しさが馬にはあるんですね」
 「そんな馬の魅力を障害者や健常者を問わず、老若男女に知ってもらいたい。お客さんが癒されているのを見ると、こちらも癒されます」

念ずれば花開く!

――馬まつりを含めた一連の活動が評価され、日本中央競馬会(JRA)から助成金も。
 「座右の銘は『念ずれば花開く』です!」

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