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編集長インタビュー

蔵王温泉観光協会 会長、善七乃湯 社長 岡崎 善七さん

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岡崎 善七(おかざき・ぜんしち)1968年(昭和43年)山形市蔵王温泉生まれ。蔵王三小→蔵王二中→山形南高から明治大経済学部に進み、卒業した91年に帰郷、蔵王温泉で300年続く実家の温泉旅館「最上高湯 善七乃湯」へ。95年から97年にかけ磐梯熱海温泉(福島県郡山市)の大型旅館「栄楽館」での修業を経て実家に戻り、先代の父親の死去に伴い2008年から社長。22年3月に「靖」から改名。家業のかたわら、18年に平昌冬季五輪でスノーボード日本代表監督を務めた。4月、蔵王温泉観光協会の会長に選挙で就任。54歳。

蔵王温泉の潜在的魅力は大 泉質と自然を積極的にPR

――その若さで蔵王温泉観光協会の会長に!

異例の選挙で会長に

 「コロナ禍の多難な直近を含め、8年の長きにわたって蔵王を牽引してこられた伊藤八右衛門前会長(蔵王の風グループ代表、74)の後だけに、責任の重さをひしひしと感じています」
 「ただ遠い過去に遡れば44歳で会長になられた方もいらして、私が突出して若いというわけでもないんですよ」
 「もっとも、直近の会長の選び方は、重鎮方の〝阿吽(あうん)の呼吸〟で決まることが多かったのは事実。その意味で選挙で選ばれたというのは近年では珍しいでしょうか」

――会長就任は「満を持して」ってところ?

 「う~ん、『いずれは』というのは正直ありましたね。だって蔵王温泉で生まれ育って、『べにばな国体』とか華やかだった時代も肌で知ってるわけじゃないですか」
 「そんな往時と今の蔵王を比べて、歯がゆいというか、何とかしなければいけないという思いは人一倍強かったかもしれませんね」

4年前から将来を展望

 「だから4年前に思いを共有する若手経営者たちと、蔵王が目指すべき道を示した『ビジョン冊子』も作成した。スキー客や樹氷観光で黙っていても客を呼び込めた時代は去り、次の一手を考えていかないと」

――蔵王は歴史があって業者数も多いから、カジ取りが難しそうだな。

 「確かに利害関係が錯綜して、意見調整が難しいところはありますね。それでも温泉街として300年続いているわけだから、みんなで幾多の苦労を乗り越えてきたとも言えるんですよ」
 「特に1990年は約160万人いたスキー客が昨年は約26万人まで落ち込むなど、蔵王はまさに正念場に立たされています」

活発な議論を期待

 「そんな今こそ、蔵王を世界基準の観光地にするためにみんなが真剣に考えていかないと。将来を見据えて丁々発止(ちょうちょうはっし)のやり取りをかわすような雰囲気づくりに会長として取り組んでいきたい」

――強いリーダーシップが求められますね。

 「蔵王の潜在的な魅力は大きい。泉質は抗酸化作用があることが分かってきたし、豊かな自然は『まるでデパート』と称されることも。温泉と自然を売りにした通年山岳リゾートが目標です」

ペット同伴でも先駆け

――「善七の湯」はペット同伴可の先駆けで。

 「何事も時代を先読みしていかないと。ペット同伴可の部屋数はスタート時の8から今では19。設備も年々豪華に」

――近いうち、コミ太同伴でお邪魔したいな。

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