山形コミュニティ新聞WEB版

健康講座・医学のうんちく

ネットポルノ依存症

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 SNS(交流サイト)やオンラインゲームなどネット上で様々な娯楽が楽しめる昨今。ポルノもネットで手軽に閲覧できるようになり、依存性が問題視されています。

精神疾患ではない?

 ネット上で様々なポルノを見ることがやめられない状態を「インターネット・ポルノ(IP)依存症」といいます。ただ、自分がそうだと認識している人もいれば、認識していない人もいるため、どれくらいの人数がいるかは不明です。
 また、セックス依存症が「強迫的性行動症」として世界保健機関(WHO)に精神疾患として認められているのに対し、IP依存症は精神疾患としては認められていないのが現状です。

他の依存症とは異なる

 2017年に米カリフォルニア大の研究チームが、IP依存症を認識している男性に官能的な画像を見せて脳の活動を機能的核磁気共鳴画像で調べたところ、ギャンブル依存症とは異なる領域に強く反応しました。
 他の依存症とは神経学的に異なる病態であることが示唆されました。

認識しているかどうか

 オーストラリア・マッコーリー大の研究チームは21年、18~44歳の男性942人をIP依存症と認識している群と認識していない群に分け、性機能と精神状態を調べました。
 それによれば、認識していない群に勃起不全(ED)、早漏、性的満足度との関連は認められなかった一方、認識している群はED、早漏、性的満足度の低下と相関を認めました。
 いずれの群にもストレスなど精神面との関連や、性的パートナーに対する不満とは関連しませんでした。

ネガティブな影響も

 結論として、IPを閲覧すること自体に性機能障害には影響がないようですが、「自分はIP依存症だ」と認識している人には性的にネガティブな影響を与えていることが分かりました。

山形徳洲会病院院長

笹川 五十次(ささがわ いそじ)

1982年 富山医科薬科大学(現富山大学)医学部卒業、86年同大学大学院修了後、ハワイ州立大学医学部を経て、04年に山形徳洲会病院副院長、08年から現職。日本泌尿器科学会認定泌尿器科専門医、日本透析医学会認定透析専門医、日本腎臓学会認定腎臓専門医。

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