山形コミュニティ新聞WEB版

健康講座・医学のうんちく

睡眠時間と健康

Share!

 健康の維持・増進のためには十分な睡眠が欠かせませんが、どのくらいの睡眠時間を確保する必要があるのでしょうか。

眠りすぎは危険?

 厚生労働省の調査によれば、平均睡眠時間は15~24歳で7~8時間、25~49歳で6~7時間、50~65歳で6時間で、加齢に伴って減る傾向にあります。
 2021年に国立がん研究センターが40~69歳の日本人男女約10万人を対象に行った調査では、睡眠時間が7時間のグループに比べ、10時間以上のグループの死亡リスクは男性で1.8倍、女性で1.7倍高くなりました。循環器疾患による死亡リスクは男性では9時間以上で高くなりました。睡眠時間とがん死亡リスクとの関連はみられませんでした。

睡眠時無呼吸のリスク

 短時間睡眠は食欲を抑制するホルモン(レプチン)の分泌が低下し、食欲を増進させるホルモン(グレリン)の分泌が増加して肥満を引き起こすと考えられています。
 長時間睡眠は閉塞性睡眠時無呼吸が多くなり、死亡リスクを増加させると考えられています。

多疾患併存リスクも

 仏・パリ大の研究チームが22年に行った調査によれば、睡眠時間が7時間台の人に比べ5時間以下の人は、多疾患併存リスクが50歳で1.3倍、60歳で1.3倍、70歳で1.4倍でした。
 また60歳、70歳で9時間以上の人は、多疾患併存リスクがいずれも1.5倍と高くなりました。ただ死亡リスクとの関連は認められませんでした。

適切な睡眠を

 適切な睡眠時間は6~8時間が目安といわれていますが、体質、性、年齢などの個人的な要因に影響されます。自然に眠れて、日中に眠くて困ることがない程度の時間で十分と考えられています。
 もっとも、短時間睡眠、長時間睡眠のいずれも健康に害があることは確かなようです。

山形徳洲会病院院長

笹川 五十次(ささがわ いそじ)

1982年 富山医科薬科大学(現富山大学)医学部卒業、86年同大学大学院修了後、ハワイ州立大学医学部を経て、04年に山形徳洲会病院副院長、08年から現職。日本泌尿器科学会認定泌尿器科専門医、日本透析医学会認定透析専門医、日本腎臓学会認定腎臓専門医。

記事閲覧ランキング

  • 24時間
  • 週間