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健康講座・医学のうんちく

陰茎白膜

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 陰茎白膜は陰茎海綿体を包んでいる組織です。

勃起を維持する働き

 陰茎白膜の構造は外側の縦方向の層と、内側の円形の層を含む2層からなり、約95%のコラーゲンと約5%のエラスチンで構成されています。コラーゲン繊維が白く、血管が少ないため、膜が白く輝くような色を放っていることからこの名がつきました。
 その働きは、勃起時に陰茎海綿体に流入した血液を閉じ込め、勃起状態を維持させることにあります。

陰茎硬化症や陰茎折症

 陰茎白膜の繊維成分が増殖し、しこりができる疾患が陰茎硬化症で、勃起時に陰茎が曲がり、疼痛や勃起障害を引き起こすこともあります。自然治癒は望めず、薬物療法で対処します。効果が不十分な場合は、しこり部の切除や縫合・修復が必要となります。
 性行為や打撲により勃起した陰茎に外力が加わり、白膜に破裂が発生する疾患が陰茎折症で、基本的治療として縫合・修復が必要です。

人工白膜の研究も

 こうした陰茎白膜の疾患は勃起不全(ED)に至る恐れもありますが、中国・華南理工大の研究チームではポリビニルアルコールという合成樹脂製の人工白膜を作成し、その有用性を検討しています。
 同チームがブタの陰茎白膜の一部を切除し、縫合修復群、人工白膜修復群、無修復群に分けて調べたところ、縫合修復群は勃起が誘発されましたが、陰茎は大きく曲がりました。人工白膜修復群は勃起が誘発され、陰茎は自然な形状でした。無修復群は勃起も誘発されませんでした。
 さらに、ラットの背中やブタの陰茎に人工白膜を埋め込んで調べたところ、炎症や繊維化は認められず、血栓形成や細胞毒性も発生しませんでした。

疾患にも有用か

 人工白膜の研究が発展すれば、組織の修復が必要となる疾患にも有用になる可能性があります。

山形徳洲会病院院長

笹川 五十次(ささがわ いそじ)

1982年 富山医科薬科大学(現富山大学)医学部卒業、86年同大学大学院修了後、ハワイ州立大学医学部を経て、04年に山形徳洲会病院副院長、08年から現職。日本泌尿器科学会認定泌尿器科専門医、日本透析医学会認定透析専門医、日本腎臓学会認定腎臓専門医。

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