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健康講座・医学のうんちく

性的関心と健康

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 江戸南町奉行、大岡越前守が年老いた母親に「女の性欲はいつまで続くのですか?」と尋ねたところ、母親は黙って火鉢の灰をかき回したという話は有名です。

死ぬまで続く

 女性、男性を問わず、人間の性欲は灰になるまで、つまり死ぬまで続くと考えられています。
 外部からの性的な刺激はより高度な大脳新皮質へ伝わり、大脳新皮質が刺激を感じてはじめて視床下部や大脳辺縁系に伝わって性欲を感じます。
 性欲を感じても性的な行動を起こすかどうかは大脳新皮質が判断します。これが他の動物と大きく異なるところです。

心身に好影響?

 2010年、英・西スコットランド大のブロディ教授は、高齢者における性交渉は精神的にも肉体的にも好ましいことを報告しています。
 米・シカゴ大の研究チームも同年、性交渉を持ち続けている高齢者は性交渉が途絶えている高齢者と比べ男性では4.6倍、女性では2.8倍も健康状態が良好でした。
 英・アングリア・ラスキン大の研究チームは18年、50~89歳の男女において性的活動が活発な人はそうでない人より高い幸福度をもたらすことを報告しています。

山大の研究結果でも

 山形大の研究チームが22年、健康診断に参加した県内の40歳以上の約2万人を対象に自己報告式質問紙で性的興味を聞き、重大疾病との関連を調べたところ、性的関心を持たない男性では全死亡率およびがん死亡率が有意に上昇していることが分かりました。
 性的関心が薄れることは健康や寿命に影響を及ぼすのかもしれません。

ほどほどが1番?

 ただ、米・ミシガン州立大の研究チームは16年、性交渉が週1回以上の高齢男性の心臓発作や脳血管障害の発症リスクがそれ以下の頻度の男性より1.9倍高いことを報告しています。ほどほどがよろしいようで…。

山形徳洲会病院院長

笹川 五十次(ささがわ いそじ)

1982年 富山医科薬科大学(現富山大学)医学部卒業、86年同大学大学院修了後、ハワイ州立大学医学部を経て、04年に山形徳洲会病院副院長、08年から現職。日本泌尿器科学会認定泌尿器科専門医、日本透析医学会認定透析専門医、日本腎臓学会認定腎臓専門医。

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