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健康講座・医学のうんちく

男性不妊

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 不妊とは、避妊せずに通常な性行為を行っていても1年間妊娠しない状態と定義されます。世界保健機関(WHO)の調査では、不妊のうち男性に原因があるのは24%、男女両方に原因があるのは24%、女性に原因があるのは41%、約半分の割合で男性に原因があるとされます。

原因には3タイプが

 男性不妊の原因は、(1)精子を作る力が低下(造精機能障害)(2)勃起・射精ができない(性機能障害)(3)精子の通り道が詰まっている(精路閉塞障害)――の3つに分類されます。厚生労働省によれば、造精機能障害が82.4%、性機能障害が13.5%、精路閉塞障害が3.9%です。

薬が影響している場合

 このうち(1)と(2)は、服用している薬が影響していることもあります。(1)に影響する薬としては抗がん剤、睡眠剤、免疫抑制剤、前立腺肥大症治療薬などで、(2)に影響する薬としては抗不整脈薬、胃潰瘍(いかいよう)治療薬などが該当します。
 またホルモン剤が男性ホルモン産生障害を引き起こすこともあります。

望ましい避妊期間は

 精子の形成期間は約74日ですので、受精前約3カ月以内に服用した薬が精子に影響を与えることになります。ただ受精数日前に服用した薬剤の影響は考慮する必要はありません。
 つまり精子の形成期間や体内残存期間などを考慮に入れると、避妊期間は薬服用中と投与後3~6カ月程度が望ましいといえるでしょう。

受精後に要注意の薬も

 ただC型肝炎治療剤のリバビリンや、多発性骨髄腫治療剤のサリドマイドといった精液に移行する薬剤は精液を介して女性に移行することが懸念されており、受精後にも影響を及ぼすことがあります。
 これらのことを考えると、パートナーが妊娠している場合はコンドームを使用した避妊が勧められます。

山形徳洲会病院院長

笹川 五十次(ささがわ いそじ)

1982年 富山医科薬科大学(現富山大学)医学部卒業、86年同大学大学院修了後、ハワイ州立大学医学部を経て、04年に山形徳洲会病院副院長、08年から現職。日本泌尿器科学会認定泌尿器科専門医、日本透析医学会認定透析専門医、日本腎臓学会認定腎臓専門医。

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