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男女の産み分け

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 1回の射精で放出される精子数は数億個で、約半数が女の子になるX染色体を有する精子(X精子)、残り半数が男の子になるY染色体を有する精子(Y精子)です。

X精子とY精子

 どちらが先に卵子に到達するかで性別が決まります。精子を選別する方法はこれまでいくつか試行されています。
 X精子は寿命が2~3日で、酸性の環境に強く、動きが遅いという特性があります。一方、Y精子の寿命は1日。アルカリ性の環境に強く、動きが速いという特性があります。この特性を利用した膣内の環境を酸性やアルカリ性に調整するゼリーがありますが、確実な方法とはいえません。

精子の動きで区別

 広島大の研究チームは2019年、X精子だけに存在し、精子の動きを止める特殊な受容体を発見しました。そこでマウスの精子を試験管に入れ、受容体を刺激する薬剤を加えたところ、運動を止めたX精子と影響を受けないY精子に分けることができました。
 採取した精子を体外受精させると約80%の確率で雄が生まれました。

重量の違いで区別も

 また米コーネル大の研究チームは3月、不妊治療を受けている105組のカップルを対象に、X精子の重量がY精子よりわずかに重いことに着目し、粒子を重量で分離させる方法を用いて精子を選別し、顕微授精を行いました。
 その結果、女児を希望した59組で検査した胚の79.1%が女性の受精卵、男児を希望した46組で79.6%が男性の受精卵でした。

求められる倫理的配慮

 ただ、男女の産み分けは、社会の不均衡や男女比の変化を引き起こす可能性があるため、倫理的な配慮が必要になるかもしれませんね。

山形徳洲会病院院長

笹川 五十次(ささがわ いそじ)

1982年 富山医科薬科大学(現富山大学)医学部卒業、86年同大学大学院修了後、ハワイ州立大学医学部を経て、04年に山形徳洲会病院副院長、08年から現職。日本泌尿器科学会認定泌尿器科専門医、日本透析医学会認定透析専門医、日本腎臓学会認定腎臓専門医。

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