山形コミュニティ新聞WEB版

女性の美と健康

高齢者の性感染症

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 高齢化社会の到来で、高齢者の間でも性感染症に罹患する人が増えているのをご存知ですか?

性行為で感染

 性感染症は性行為によって感染する病気の総称で、性行為の経験がある人なら誰でも感染する可能性があります。性行為も現代は多様化しており、一般的な膣性交に限らず、口腔性交、肛門性交も含みます。
 代表的な性感染症は梅毒、淋菌感染症(淋病)、性器ヘルペス、尖圭コンジローマ、性器クラミジア、エイズウイルス(HIV)などです。

厚労省調べでも増加

 こうした性感染症にかかる高齢者が増えていることはデータからも裏付けられています。
 厚生労働省が発表している5歳刻みの性感染症報告数の年次推移を見ると、性器クラミジアに感染した60歳以上は1999年は163人でしたが、2020年には324人とほぼ倍増しています。同様に淋病も108人から161人に増えています。

浮かれていると…

 昔と違い、今は60歳以上でも元気な人が増えているほか、SNSの普及などで多くの人と出会う機会が増えていることも影響しているようです。
 「若い女性と知りあえて浮かれていたら、まさかの事態に」というトホホ(?)な人が多く、医者仲間の話によると、60歳代ばかりでなく70歳代や80歳代の患者さんもいらっしゃるとか。

心配なら検査を

 無症状のケースもある性感染症ですが、放置しておくと様々な合併症を起こすことが知られています。
 大岡越前の御母堂の「灰になるまで」のエピソードは広く知られていますが、心当たりのある方は男性なら泌尿器科を、女性なら婦人科を受診しましょう。

セントラルクリニック 院長

村山 一彦(むらやま かずひこ)

山形市生まれ。埼玉医科大学を卒業後、同大病院、篠田総合病院を経て2004年に産婦人科を中心とするセントラルクリニックを開院。社会福祉法人・慈風会の理事長として特別養護老人ホーム「なごみの里」、認可保育所「はらっぱ保育園」も手がける。

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