山形コミュニティ新聞WEB版

女性の美と健康

子宮頸がん

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 子宮頸がんは毎年約1万人の女性がかかり、約3000人が亡くなっています。その原因は性交渉でヒトパピローマウイルス(HPV)に感染することにあります

HPV感染が原因

 HPVは一般的なウイルスで、性行為の経験がある方なら8割は生涯で1度は感染するといわれています。
 HPVには約100種類以上の型がありますが、がんになりやすいハイリスク群となりにくいローリスク群に分かれ、ハイリスク群は約15種類といわれています。
 この15種類のHPVのうちのどれかに感染した人すべてが子宮頸がんにかかるわけではありませんが、かかる危険性が高いと考えて下さい。

有効なワクチン

 実は、子宮頸がんを予防するためにHPVワクチンというのが存在します。日本では2013年、小学6年生から高校1年生の女子を対象に公費助成によるワクチン接種が始まりました。
 ただ接種後に副作用が表面化したことにより、厚生労働省は「HPVワクチン接種の積極的な勧奨は差し控える」との通達を出し、今日に至っています。この結果、13年当時約70%だった接種率は現在ではほぼゼロというのが実情です。

WHOもお墨付き

 これに対し世界中のデータを継続的に解析している世界保健機構(WHO)は、HPVワクチンは極めて安全であるとしています。先進国でHPVワクチンが普及していないのは日本だけです。
 現時点では子宮頸がんを予防できる唯一の手段だけに、日本産婦人科学会は厚労省にHPVワクチンの積極的勧奨を強く求めています。
 放置しておくと、子宮頸がんは日本女性が世界にばらまいていると言われかねませんぞ。

セントラルクリニック 院長

村山 一彦(むらやま かずひこ)

山形市生まれ。埼玉医科大学を卒業後、同大病院、篠田総合病院を経て2004年に産婦人科を中心とするセントラルクリニックを開院。社会福祉法人・慈風会の理事長として特別養護老人ホーム「なごみの里」、認可保育所「はらっぱ保育園」も手がける。

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