山形コミュニティ新聞WEB版

女性の美と健康

暑熱馴化

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 やまコミ読者の皆様は「暑熱馴化(しょねつじゅんか)」という言葉をご存知ですか?

暑さに適応させる

 馴化(順化とも)とは環境の変化に応じて生物が時間をかけて適応することで、寒い環境に慣れることを「寒冷馴化」といったり、標高が高くて酸素濃度が低い環境に慣れることを「高地馴化」といったりします。
 暑熱馴化は暑い環境に慣れることで、暑熱馴化すると体温が上がりにくくなったり、汗をかきやすくなったり、水分補給による体液量の回復が容易になったりします。

熱中症対策に有効

 賢明な読者の皆様ならもうお分かりでしょう。そうです、これからの季節、暑熱馴化することはやっかいな熱中症対策にもなるのです。
 気象庁が発表した7月から9月までの3カ月予報では今年の夏も記録的な猛暑になる見通しだけに、熱中症対策として暑熱馴化を始める時期は今なのです。

汗をかく運動を

 具体的には、冷房を控えて「ややキツい」と感じるような運動を1日30分程度行い、大量の汗をかくようにしましょう。ウォーキング、ジョギング、自転車など軽度の有酸素運動で構いません。高齢の方には入浴がお勧めです。半身浴でもOKです。
 これらのことを約2週間続ければ馴化は完了し、熱中症になりにくい身体になることでしょう。

今から始めましょう

 昨今は新型コロナウイルス感染予防のため「ステイホーム」で家で過ごすことが奨励されている結果、運動不足に陥っている人も多いはず。
 まだ朝晩過ごしやすい今のうちに少しずつ運動することを心がけ、体力向上と暑熱馴化に努めることをお勧めします。

セントラルクリニック 院長

村山 一彦(むらやま かずひこ)

山形市生まれ。埼玉医科大学を卒業後、同大病院、篠田総合病院を経て2004年に産婦人科を中心とするセントラルクリニックを開院。社会福祉法人・慈風会の理事長として特別養護老人ホーム「なごみの里」、認可保育所「はらっぱ保育園」も手がける。

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