あなたの目 健康ですか?/(146)目の一生
小学校までは弱視に注意
生まれてから小学校に上がるまでに注意したいのが弱視です。通常、この間に視力は1.0まで発達しますが、何らかの原因で視力の発達に障害を受けると弱視を発症することがあります。
弱視には強い遠視や乱視、先天性白内障や眼瞼下垂、斜視、不同視などの種類がありますが、見た目では分からないことが多いため、3歳児健診などでしっかりと調べておくことが大切です。
健診によらずとも、「よく片目をつぶる」「片方の目を隠すと嫌がる」といったサインを周囲が見逃さないよう気を付けましょう。

近視の進行に歯止めを
小学校に上がってからは近視が目立ちますが、注意が必要なのは網膜に焦点が合わず像がぼやけて見えることで進行していく「強度近視」です。強度近視になると将来、緑内障のリスクが高まってしまいます。
そうならないためにも近視の進行を抑えることが大切です。自宅でパソコンなどを使った学習が増え、近視進行リスクも高まっていますが、きちんとした姿勢で30センチは離れて学習することを心がけましょう。
早期発見・早期治療
働きざかりの世代はVDT(画像表示装置)症候群やドライアイなどに注意が必要です。また40歳を過ぎてくると緑内障、白内障、加齢黄斑変性などが増えてきます。
これら大人の目の病気で重要なのは早期発見・早期治療です。特に緑内障は初期の段階で自覚症状がなく、気づいた時には手遅れということにもなりかねません。
40歳を過ぎたら年1回の眼科健診を欠かさないようにしましょう。
目は一生の伴侶です。人生100年時代、目も100年です。


高橋 義徳
●(たかはし よしのり)1990年(平成2年)山形大学医学部卒業後、同大学眼科講師、ウプサラ大学留学を経て2007年10月に金井たかはし眼科を開院。日本眼科学会専門医。山形県眼科医会理事。