富士乳業(天童市)6月末で操業停止/業績低迷 全従業員解雇

2019年5月24日
 乳飲料の製造・販売を手がける富士乳業(天童市、角田太陽社長)が、6月28日で操業を停止することが分かった。関係者によれば、業績悪化と設備老朽化が理由で、23人の従業員は全員解雇する。操業停止後も会社は存続するが、業務は委託生産販売だけになるという。
富士乳業(天童市)6月末で操業停止/業績低迷 全従業員解雇

 同社ではすでに取引先に「工場製造終了のお知らせ」と題する文書を配布、この中で「設備の老朽化のため、このまま製造を継続していくことは困難と判断いたしました」と記している。社屋と工場は解体し、7500平方メートルの敷地は売却する予定。
 同社は1950年(昭和25年)に明治村(現山形市)で発足した酪農同志会が前身。56年に東海林長蔵氏が灰塚で創業した東海林牛乳店を引き継ぎ、67年に東海林清氏が七日町に会社組織の富士乳業を設立した。現在地に移転したのは70年。
 民間信用調査会社によると、老舗の牛乳製造会社として県内外に販路を構築、ピーク時の2012年には12億円の売上高を記録したが、その後は競争の激化などで業績が低迷、直近は慢性的な赤字が続いていた。
 この間、業績回復を狙って生乳の調達先を農協組織の指定団体から独立系卸のMMJ(群馬県伊勢崎市)に切り替え、生乳流通自由化を目指す〝アウトサイダー〟の旗手として全国紙や人気テレビ番組「ガイアの夜明け」などで度々紹介されるなど、業界内では知られた存在だった。
 自由化への道を開く「改正畜産経営安定法」が昨年4月に施行されたが、同社はその恩恵を受けないまま操業停止に追い込まれた格好。
 関係者によれば、本社敷地の売却益は累積債務の返済に充当する予定という。