女性の美と健康/むくみ

2018年3月23日
 今回は「むくみ」についてのお話です。あなたも、朝起きて鏡を見ると顔がむくんでいる、夕方になると足がむくんで靴が窮屈になるといった経験はありませんか?

顔や足に出やすく

 むくみは「浮腫」とも呼ばれ、細胞と細胞の間の水分が異常に増加した状態を言います。何らかの原因で体から水分が排泄しにくくなるとむくみが生じます。
 朝起きた時の顔のむくみの多くは、前日にアルコールや塩分を摂りすぎたことで血管が拡張し、静脈やリンパによる水分の処理がうまくいかなくなったことが原因です。

女性の美と健康/むくみ

仕事内容も影響

 足のむくみの原因としては、立ち仕事やデスクワークなどで同じ姿勢をとり続けている結果、血行不良になったり、重力により不要な水分が下半身にたまってしまうことが考えられます。
 また女性の場合、きつい下着による血行不良や、月経による血管拡張などでも足がむくみやすくなります。

肥満との違い

 むくみは急に体重が増えるという症状もあらわれます。むくみと肥満は異なります。むくみは身体に水分が異常に増加した状態、肥満は脂肪が増加した状態です。極端な場合、むくみでは数日で体重が10キロも増えることがありますが、肥満ではそういうことはありません。
 むくみと肥満の簡単な見分け方は、すね(脛)を指で10秒ほど強く押した後に指を離し、へこんだままならむくみ、へこんでもすぐに戻れば肥満です。

背後に心配な病気も

 むくみは緊急性がなければ治療は不要ですが、腎臓病など心配な病気が隠れていることもあります。不安な方は腎臓、甲状腺、心臓等の検査をお勧めします。生理的なむくみでお悩みの方も保険適用の薬があります。


女性の美と健康/むくみ
プロフィール

セントラルクリニック院長
村山 一彦
プロフィール
(むらやま・かずひこ)1956年山形市生まれ。埼玉医科大学を卒業後、同大、篠田総合病院を経て2004年に産婦人科を中心とするセントラルクリニックを開院。社会福祉法人・慈風会の理事長として特別養護老人ホーム「なごみの里」、認可保育所「はらっぱ保育園」も手がける。