女性の美と健康/まつ毛エクステンション
4人に1人がトラブル
そもそもまつエクとは、化学繊維などでできた人工まつげをグルーと呼ばれる接着剤で1本ずつ取り付ける美容行為で、施術を行うには美容師免許が必要です。
2015年3月の国民生活センターのアンケートによると、まつエクを利用した4人のうち1人に何らかのトラブルやアクシデントがあったとのことです。

結膜炎や角膜炎
最も多かったのはグルーが原因で発症する結膜炎(けつまくえん)や角膜炎(かくまくえん)です。グルーの主成分はシアノアクリレートと呼ばれる合成接着剤ですが、固有の揮発成分が目や目の周辺に刺激を与え、かなりの頻度で結膜炎や角膜炎を引き起こします。
眼瞼炎やブドウ膜炎も
このほか、グルーや人工まつげが不衛生だったことから生じたとみられる眼瞼(がんけん)炎やブドウ膜炎の報告もありました。
眼瞼炎はまぶたの部分が腫(は)れたり、赤くなったり、かゆくなったりする症状が特徴です。ブドウ膜炎を発症すると目がみえにくくなり、最悪の場合は失明に至ります。
グラッシュビスタ
ことほど左様にトラブルが多いまつエクですが、「まつ毛の本数が少ない」「短い」と悩んでいる人向けの薬も登場しています。国内初のまつ毛貧毛症治療薬として、14年に厚生労働省から製造販売承認を受けた「グラッシュビスタ」です。
成分は緑内障の点眼薬と同じで、1日1回、寝る前に生え際に塗るだけで効果が期待できるという触れ込みです。
ただ健康保険の適用外であるほか、副作用も指摘されていますので、利用をお考えの方は医師に相談してみることをお勧めします。


セントラルクリニック院長
村山 一彦
プロフィール
●(むらやま・かずひこ)1956年山形市生まれ。埼玉医科大学を卒業後、同大、篠田総合病院を経て2004年に産婦人科を中心とするセントラルクリニックを開院。社会福祉法人・慈風会の理事長として特別養護老人ホーム「なごみの里」、認可保育所「はらっぱ保育園」も手がける。