山形コミュニティ新聞WEB版

編集長インタビュー

ベルウッドヴィンヤード(上山市)代表 鈴木 智晃さん

Share!

鈴木 智晃(すずき・ともあき)1977年(昭和52年)朝日町生まれ。西五百川小、朝日中、山形中央高を経て仙台の専門学校に進み、卒業後、地元の朝日町ワインに就職。19年間ワイン醸造とブドウ栽培に携わった後、一念発起して2017年に独立しワイナリー「ベルウッドヴィンヤード」を創業。20年から自社醸造を始め、今年で3年目を迎える。山形市在住、44歳

消費者の生の反応がやり甲斐
 「美味しい」と言われれば最高

――39歳の時に一念発起して脱サラしたと。

一貫したワインづくりを

 「会社勤めはそれなりにやり甲斐もありましたが、ブドウ栽培を含め自分で一貫してワインづくりに取り組みたいという思いが強くなって。当時、ワインブームが盛り上がりをみせていたし」
 「子どもは上が5歳、下が1歳で、手間はかかるけどお金はそれほどでもないから、リスクを背負うなら今しかないだろうと。妻には何となく自分の思いは伝えていましたが、最終的にはほとんど事後報告で(苦笑)」
――なぜ上山市で?

上山市の支援を受け

 「理想のブドウ畑を探して内陸各地を巡る中、ブドウ栽培に適し、かつ最も誘致に積極的だったのが上山市でした。同市の『かみのやまワインの郷プロジェクト』の支援を受け、同市久保手でブドウ栽培を始めることができました」
 「始めて3年間は収穫したブドウは他のワイナリーに委託醸造をお願いしていましたが、20年に自社ワイナリーが完成、一貫生産態勢が整って今年で3年目になります」
――今年のワインの出来具合はどうですか?
 「う~ん、8月に雨が多かったから過去最高とは言えないですね。でも年によって違う味わいになるのがワインの面白さで、収穫時期に涼しかった影響か、伸びやかな酸味がキレイに出てます」

独立して悔いなし

――いざ独立して。
 「勇気がいりましたが、選択としてはよかったんじゃないかと。ブドウ畑やワイナリーという〝自分の城〟が持てたし、何より自分がつくったワインの評価がストレートに聞けるのが嬉しい。『美味しい』と言われれば最高ですね」
 「営業は苦手というか、手が回らない。ワイナリーは県内はもちろん県外にもたくさんあるし、それこそ海外にも。その中から選んでもらうには、品質を追求していくしかないのかなと」 
――具体的には?
 「地元産にこだわり続けたい。現在、会社に携わっているのは自分と家族だけで、規模拡大は追わず、創業時の〝自分が一貫して取り組む〟の思いを貫きたいです」

不断の努力を自戒に

 「ワインづくりで天才型とそうでない型に分けるとすれば、自分は間違いなく後者。でも自分で才能がないと自覚してるのが才能だと(苦笑)。その分、不断の努力が必要だと自戒してます」
――嚙みそうになる社名の由来って?
 「ベルは〝鈴〟、ウッドは〝木〟でしょ。鈴木のヴィンヤード(ブドウ園)ということで」
――……。自己顕示欲が強い人なのね(苦笑)

記事閲覧ランキング

  • 24時間
  • 週間