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編集長インタビュー

餃子の店おけ以(東京)取締役 馬道 雄一さん

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馬道雄一(うまみち・ゆういち)1981年(昭和56年)東京・飯田橋の老舗中華料理店「おけ以」の3代目オーナー、馬道仁さんの長男として板橋区で生まれる。高校を卒業後、勤務先のスポーツクラブで酒田市出身の愛さんと知り合い、2009年、結婚を機に酒田に移り住む。19年におけ以の冷凍餃子を全国に発送する酒田工場を開設、22年からは県内8カ所で冷凍餃子の自動販売機事業に乗り出している。41歳。

餃子が取り持つ東京と山形
  絆を深めることで恩返しを

――飯田橋「おけ以」といえば餃子の名店!
 
知る人ぞ知る人気店

 「創業は1954年で、大陸から引き揚げてきた初代オーナーが神保町で店を構えたのが始まりです。当時、東京に餃子屋はなく、物珍しさと美味しさで開店当初から繁盛店だったとか」
 「その後、2代目を継いだ息子さんが体調を崩され、閉店の危機に。その時、おけ以のファンで工務店を経営していた父が3代目として名乗りをあげ、2005年に店舗を飯田橋に移転して現在に至っています」
 「人気の餃子は皮も餡も手作りで、外はカリカリ、中はジューシー。餡はシンプルに豚ひき肉、白菜、ニラ、ショウガだけで、ニンニクは使いません。調理法は企業秘密ですが、タレがいらないほど味がしっかり」
 「おかげさまで〝ミシュランガイド東京〟には18~23年と6年連続で掲載していただきました」

結婚を機に移住

――そんな有名店の御曹司がどうして酒田に?
 「東京みたいな騒がしいところが性に合わないんですよ(苦笑)。結婚前から妻の実家には何度か足を運んでいて、街の雰囲気や人の温かさが心地よくて。海の幸や山の幸が豊富なところも気に入って、『結婚したら絶対ここで暮らそう』と決めてましたね」
――酒田工場は19年から?
 「酒田に来て10年間は妻の実家の弁当店を手伝ったり、おけ以とは関係のない仕事をしてましたが、18年に父から『そろそろ店を手伝ってほしい』と頼まれ…」

冷凍餃子を全国に

 「でも酒田を離れるのに抵抗があったので、別なやり方で店の手助けになればと始めたのが冷凍餃子のネット販売。おけ以の味を出すため、父のもとで厳しい修業も積みました(苦笑)」
 「嬉しかったのは、20年1月に人気テレビ番組〝マツコ&有吉かりそめ天国〟の絶品お取り寄せ餃子ランキングで、おけ以が1位に選ばれたこと。放送後は24時間で通常の50倍に当たる17万個の注文が入りました」
――自販機事業はどうですか。
 「酒田工場では直販もしていて、それがコロナで打撃を受け…。それをカバーしようと始めましたが、手ごたえはまずまず。やっぱり24時間稼働できるのが強みですね」

酒田に骨を埋める

――将来の展望とか。
 「餃子が東京と山形の架け橋になり、それぞれで餃子文化を広げていければ。それがお世話になった人々への恩返しにもなると思うから」
――酒田に骨を埋めようと。
 「もちろんです!」

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