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内科あれこれ

動脈硬化

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 脳梗塞や心筋梗塞につながる動脈硬化にはいくつか種類がありますが、最も多いのが「粥状(じゅくじょう)硬化」と呼ばれるものです。

粥状硬化とは

 動脈は外膜、中膜、内膜の三層からなり、このうち血管の内側を滑らかにするシート状の細胞の膜が内膜です。
 内膜は血圧などのストレスを常に受けるため傷つきやすく、この傷から悪玉コレステロールが入り込み、ストレスが過剰になると「プラーク」と呼ばれる塊が内膜の下にたまってしまいます。プラークは固いものではなく、お粥のように柔らかいことから「粥状硬化」と呼ばれています。

脳梗塞と心筋梗塞

 プラークが大きくなると血管は細くなり、血流が悪化するのはもちろん、時には内膜が破れてプラークが血管内に噴出し、血栓を作って一気に血管が詰まることがあります。これが梗塞です。
 梗塞はすべての動脈で起こりますが、大きな問題になるのは脳と心臓です。脳で血管が詰まれば脳梗塞、心臓で血管が詰まれば心筋梗塞に。いずれも命にかかわり、後遺症も重くなる疾患です。

防ぐには禁煙と食事

 それを防ぐには、喫煙者はまずは禁煙。梗塞にとってタバコは百害あって一利なしです。食事は塩分を減らすこと。それと脂質の摂取を控えることを心がけましょう。
 具体的には肉より魚、油は動物性より植物性のものを。そして野菜はできるだけ多めに。果物やお菓子はほどほどに。

運動もお忘れなく

 運動もお忘れなく。基本は歩くこと。人間の筋肉の7割は下半身にあり、歩くだけで筋肉を維持し、糖や脂質の代謝が良くなります。

きくち内科医院 院長

菊地 義文(きくち よしふみ)

1985年(昭和60年)東北大学医学部卒業。同大医学部第三内科を経て96年に山形市立病院済生館へ。2013年4月に「きくち内科医院」開院。

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