<荒井幸博のシネマつれづれ> 越年LOVERS

2020年12月11日
山形が舞台の第2話に注目

 岡本太郎の母・岡本かの子の同名小説を台湾の女性映画監督グオ・チェンディが脚本・監督を務め、日本、台湾、マレーシアの年越し風景を舞台に、不器用な3組の恋の行方を映画化したのが本作。
 見どころは日本、それも山形が舞台の第2話。しかも出演するカップルが、山辺町出身の峯田和伸さんと山形市出身の橋本マナミさん!

<荒井幸博のシネマつれづれ> 越年LOVERS

 東京で暮らす寛一(峯田)のもとに、幼なじみの太郎(結城貴史)が恋人の碧(橋本)と別れたという連絡が入る。
 急いで山形に帰郷する寛一だったが、太郎は姿をくらましていて、代々続く写真館を継いだ碧と再会するも、碧からは冷淡な態度をとられる。
 実は寛一と碧はかつては恋人同士。夢を追って上京した寛一との遠距離恋愛に疲れた碧は近くで優しく接してくれた太郎と暮らすようになるが、寛一への想いは捨てきれず、それを察した太郎が離れていったのだった。
 そこに帰ってきたのが寛一。果たして、厳寒の蔵王で2人が織りなす恋模様はいかに――。

 碧が継いだ写真館は大正10年に建てられた旧西村写真館で撮影。他にも雪の山形市門伝、JR山形駅前、旅篭町、山辺町、霞城公園などがロケ地に使われている。
 峯田さんに話をうかがうと、「東京暮らしが長いので標準語を使うことが多いのですが、本作は山形弁のまま喋れるので嬉しかった。橋本さんは美人で優しくて、山形弁で山形時代のことを話したりして撮影期間は楽しかった。だから結婚のニュースが流れた時は衝撃でした(笑)」と語ってくれた。

 「灯台下暗し」「傍目八目」とはよく言ったもので、台湾のグオ・チェンディさんのメガホンによって山形の美しさを再発見させてもらった。
 蔵王温泉街で峯田さんと橋本さんが玉こんといがもちを並んで食べるシーンは微笑ましく、嬉しい場面だった。
 12月18日から山形と仙台で先行上映。全国では来年1月15日から順次上映される。


<荒井幸博のシネマつれづれ> 越年LOVERS
荒井幸博(あらい・ゆきひろ)

1957年、山形市生まれ。シネマパーソナリティーとして多くのメディアで活躍、映画ファンのすそ野拡大に奮闘中。現在FM山形で「荒井幸博のシネマアライヴ」(木曜12時)を担当。