女性の美と健康/乳がん(上)

2017年4月28日
 歌舞伎俳優の市川海老蔵さんの奥様で、フリーアナウンサーの小林麻央さんが闘病生活を綴(つづ)ったブログが注目されていますが、麻央さんを蝕(むしば)んでいる病気が乳がんであることは皆さんもご存知でしょう。

ピークは40歳代

 日本人女性が乳がんにかかる率は上昇しており、毎年7万人の方が罹患(りかん)しています。30代後半から増加が始まりますが、麻央さんのように25~30歳でかかるケースも増えています。
 ピークを迎えるのは40代で、45歳の場合、10万人当たり100人以上が乳がんといわれています。かかる率は50歳以上になってもさほど減少しません。

女性の美と健康/乳がん(上)

大切な早期発見

 恐ろしい病気ですが、心配ばかりしていても始まりません。大切なことは早期発見。幸い、がんの中でも乳がんは自己発見率が最も高く、自己検診を心がけて下さい。

自己検診のススメ

 乳がんができやすいのは乳房の外側上部とわきの下で、がんができると乳房が引っ張られるような感覚になりがちです。これらのことを踏まえ、実際に自己検診をやってみましょう。
 まず両手を頭の後ろで組み、鏡に乳房を映してます。左右の乳房を比べ、乳頭の位置がズレている(ポインティング)かどうか、乳房にえくぼがある(ディンプル)かどうかを確認します。

5つのポイント

 次に、石けんをつけて乳房を触ってみましょう。しこりがある(トゥモール)かどうか、あればそのしこりは柔らかいのか、硬いのか、移動性はどうか。
 また、乳頭から異常分泌がある(ラクテーション)かどうか、さらに、えくぼの部分の皮膚がザラザラしている(ピッグスキン)かどうか。
 これらの5つを乳腺(にゅうせん)刺激の少ない月経直後にチェックするよう心がけましょう。


女性の美と健康/乳がん(上)
プロフィール

セントラルクリニック院長
村山 一彦
プロフィール
(むらやま・かずひこ)1956年山形市生まれ。埼玉医科大学を卒業後、同大、篠田総合病院を経て2004年に産婦人科を中心とするセントラルクリニックを開院。社会福祉法人・慈風会の理事長として特別養護老人ホーム「なごみの里」、認可保育所「はらっぱ保育園」も手がける。