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灯油店頭価格 県内、全国最安値に/エネ庁調べ 競争激化が影響

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 原油の高騰や円安で全国的に灯油価格が高止まりする中、県内の灯油は全国最安値をつけていることが資源エネルギー庁の調べで明らかになった。安さをうたうガソリンスタンド(GS)が山形市でオープンした影響とみられ、業界では「このままでは赤字になってしまう」との悲鳴も聞かれる。

灯油店頭価格 県内、全国最安値に/エネ庁調べ 競争激化が影響

 同庁の10月30日時点の調査によれば、県内の灯油の平均店頭価格は18リットル当たり1947円。全国平均の2088円より141円、最高値の沖縄の2406円より459円それぞれ安く、47都道府県で最安値になっている。
 同庁では週ごとに調査結果を公表しており、山形の全国最安値は10月10日から4週連続になる。
 かねて県内の石油製品価格は全国に比べ割高とされ、30日時点もガソリン価格は1リットル当たり175.9円と全国平均の173.4円を上回っているが、灯油だけが異例の値動きをみせる。
 この理由について、業界関係者の多くは8月に山形市鉄砲町でオープンしたGS「オアシス山形南店」の存在を挙げる。
 高橋石油(天童市)が展開する同GSは低価格を武器に売れ行きを伸ばしており、周辺のGSは戦々恐々としているという。

灯油店頭価格 県内、全国最安値に/エネ庁調べ 競争激化が影響

 特に10月以降はこれから需要期を迎える灯油が客寄せの商材として使われており、オアシスの安値に他店が追随する展開になっている。
 灯油の安値は消費者には朗報だが、GS業界にとっては頭の痛いところ。「国の燃料補助金のおかげでなんとかコスト高を吸収できているが、これ以上下がれば補助金分も飛んでしまう」という声も出ている。

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