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妊娠と片頭痛

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 片頭痛は20~40代の女性に多く、妊娠した場合のことを考える必要があります。今回は妊娠中の上手な薬の使い方についてお話ししましょう。

大半が抱く「不安」

 片頭痛持ちで妊娠を希望している方に伺うと「妊娠中に片頭痛が起きたらどうしよう?」「薬は飲めないんでしょう?」といった不安の声が聞かれます。もちろん妊娠中はできるだけ薬に頼らないのがベストですが、必ずしも薬が使えないわけではありません。

使える薬もあります

 頭痛のために何日も寝込んでしまうようであれば、子どもの解熱剤としても使用するアセトアミノフェン(カロナール)など市販の鎮痛剤を飲んでも差し支えありません。痛みが強い際にはトリプタン製剤の使用も考えられます。
 もっとも、すべての鎮痛剤が必ずしも安心というわけではなく、市販薬を利用する際は事前に専門医に相談することをお勧めします。

安心な場合も

 幸いなことに、「前兆のない片頭痛」は妊娠6カ月を過ぎると約7割の人が頭痛の回数が減ったり、頭痛が起きても軽い症状で済むとされます。
 これは妊娠中のホルモンバランスの影響が大きいためと考えられます。

心配な場合も

 ただ、つわりで食事が取れなかったりすると血糖値が下がり、片頭痛の引き金になることもあるので、少量ずつでも食事や水分を取ることが大切です。妊娠中に片頭痛の回数が増えたり、これまでと違う症状がみられる際は注意が必要です。

専門医に相談を

 妊娠・出産は女性にとって大きなライフイベントです。
 もしあなたの片頭痛が妊娠中も頻繁に起きたり、辛いようなら、その原因を探って対処することも可能です。心配な方は専門医に相談してみてはいかがでしょうか。

TFメディカル 嶋北 内科・脳神経外科クリニック 医師

佐藤 篤(さとう あつし)

2002年山形大学医学部卒業。山大医学部附属病院、山形済生病院、済生館病院などを経て現職。日本脳神経外科学会認定脳神経外科専門医。医学博士。

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