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群発頭痛

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 脳卒中など頭痛を引き起こす原因がない一次頭痛の中で、痛みが最も激しいとされるのが群発頭痛です。〝自殺頭痛〟とも呼ばれ、心筋梗塞、尿路結石と並ぶ三大痛の一つといわれています。

症状が数カ月の場合も

 群発頭痛の特徴は(1)決まった時間に症状が起きる (2)頭痛とともに片目の周りと目の奥がえぐられるような激しい痛みを伴う (3)頭痛とともに涙、鼻水、鼻づまり、目の充血、まぶたが腫れて垂れ下がる――などです。
 30分から3時間の発作が1日に1~数回、数日から数カ月続くことが多く、それを過ぎるとまったく発作のない時期が数カ月から3年ほど続くのも特徴です。

原因解明されておらず

 群発頭痛の患者さんは1000人に1人とされ、頭痛の中ではかなり珍しい部類に属します。
 残念ながらその発症メカニズムは明らかになっていませんが、夜間など決まった時間に起きることから、近年では体内時計の乱れによるものではないかとの見方も出ています。
 また群発頭痛の誘発要因としてはアルコールの過剰摂取、タバコ、不規則な生活などが指摘されています。

季節の変わり目に注意

 気圧の急激な変化も誘発要因の一つとされ、その意味で季節の変わり目は要注意です。実際、当院でもここ2年間は、お盆明けの8月中旬から10月に発症する人が全体の70%を占めています。
 また以前は「群発頭痛は男の病気で女性の発症はまれ」とされてきましたが、女性の社会進出や喫煙率のアップなどから性差は少なくなっていることも実感します。さらに18歳以下の患者さんも増えています。

飲酒や喫煙は控えて

 予防としては飲酒、喫煙を控え、入浴は避けることをお勧めします。また医師に予防薬を処方してもらうことで、発作の頻度を減らすことは可能です。

TFメディカル 嶋北 内科・脳神経外科クリニック 医師

佐藤 篤(さとう あつし)

2002年山形大学医学部卒業。山大医学部附属病院、山形済生病院、済生館病院などを経て現職。日本脳神経外科学会認定脳神経外科専門医。医学博士。

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