早春の光と頭痛
頭痛は光や音、におい、気圧の変化などによっても誘発されます。今回は特に早春の時期の光と頭痛の関係についてお話ししましょう。
早春の日差しにご用心
まぶしい光に対して脳は過剰反応しやすく、頭痛発作が生じやすくなります。光過敏症は片頭痛の特徴のひとつでもあります。
山形では通勤に車が使われるケースが大半ですが、朝の時間帯はまだ太陽の位置が低く、光が車内に差し込むことも多いので要注意です。太陽の直接の光だけでなく、積雪の反射によって頭痛が誘発されることがあるのもお忘れなく。
対策としては、朝の運転の際にはサングラスの着用が有効です。
室内の照明にも注意を
コロナ禍で自宅で過ごす時間が多いことと拝察しますが、室内照明にも注意が必要です。ある報告では、45日ごとの頭痛日数を調べたところ、「白色のLEDの部屋」では13日あった頭痛が、「電球色のLED」照明を使用した部屋では6日に減少、頭痛薬の服用日も7日から2日に減少する効果がみられました。
LED照明を使用する際は、電球色で明るすぎない強さが望ましいと考えられます。
ナイトモードの使用を
スマホのブルーライトにも注意が必要です。スマホの光の中でもブルーライトは刺激が強く、頭痛を引き起こすきっかけになります。
画面の明るさを暗く設定したり、夜間だけでなく、ナイトモードなどの設定をすることも有効とされています。
ちょっとした工夫で
現代の生活とは切っても切れない縁がある光ですが、頭痛との関係ではちょっとした工夫で痛みを軽減できたり、未然に防ぐことも可能です。
頭痛を生じやすい条件を知って、条件が重なる時はできるだけその状況を避けるようにすることが肝要と思われます。
TFメディカル 嶋北 内科・脳神経外科クリニック 医師
佐藤 篤(さとう あつし)
2002年山形大学医学部卒業。山大医学部附属病院、山形済生病院、済生館病院などを経て現職。日本脳神経外科学会認定脳神経外科専門医。医学博士。