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群発頭痛

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 原因がない一次頭痛の中で最も痛いとされているのが「群発頭痛」です。別名〝自殺頭痛〟とも呼ばれ、心筋梗塞、尿路結石と並び〝三大痛〟の一つといわれます。

症状の特徴は?

 群発頭痛は①決まった時間に症状が出る②頭痛とともに片目の周りと目の奥がえぐられるような激しい痛みを伴う③涙、鼻水、鼻づまり、目の充血、まぶたが腫れて垂れ下がる――などの症状があります。
 また1回の頭痛は30分から3時間でうそのようになくなるのが特徴で、おおよそ1~3カ月続きます。

判明するまでに時間

 流涙や鼻水を伴うことから、眼科や耳鼻咽喉科を受診したり、時には精神的な疾患を疑われ、心療内科に通院している人もいます。
 頭痛外来での調査報告によると、群発頭痛と診断されるまでには発症から約7年かかり、正しく診断されるまでかかったお医者さんの数は平均4.3名、群発頭痛以外に受けた診断名の数は3.9だとか。

女性患者も増加中

 群発頭痛は20~40歳代の男性に発症することが多く、以前は「群発頭痛は男の病気で、女性の発症はまれ」とされてきましたが、女性の社会進出や喫煙率の上昇などから、性差は少なくなっているのが実情です。
 実際、当院で群発頭痛と診断した人は男性102人、女性72人と均衡しています。また18歳以下では24名で、最少年齢は14歳の中学生でした。決して大人の男性の病気ではありません。

予防するには

 頭痛の誘発原因としては、アルコールの過剰摂取、タバコ、気圧の急激な変化、不規則な時間帯の睡眠などがあります。予防としては飲酒、喫煙を控え、長時間の入浴も避けましょう。
 また予防薬を服用すれば発作の頻度を減らすことができます。

TFメディカル 嶋北 内科・脳神経外科クリニック 医師

佐藤 篤(さとう あつし)

2002年山形大学医学部卒業。山大医学部附属病院、山形済生病院、済生館病院などを経て現職。日本脳神経外科学会認定脳神経外科専門医。医学博士。

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