山形コミュニティ新聞WEB版

あなたの目 健康ですか?

調節緊張

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 コロナ禍でパソコンやスマートフォンを見る時間が長くなり、目の不調を訴える人が増えています。様々な症状の中から今回は「調節緊張」についてお話ししましょう。

ピントを合わせるには

 人が物を見る時、目はカメラのレンズのような働きをする「水晶体」の厚さを調節し、ピントを合わせています。この調節を行うのが「毛様体筋」という筋肉です。
 具体的には、遠くを見る時は毛様体筋が緩まって水晶体を薄くし、逆に近くを見る時は毛様体筋が収縮(緊張)して水晶体を膨らませます。そうすることによってピントを合わせているのです。

緊張が常態化すると

 ところが、近くのスマホの画面を長時間見続けていると毛様体筋の緊張が常態化し、スマホから目を離してもピント合わせが難しくなってしまいます。これが調節緊張で、「スマホ老眼」とも呼ばれます。
 調節緊張は学童期の「仮性近視」と同義語でしたが、ここ数年の視環境の変化で調節緊張は全世代の問題となり、より重篤な症状を訴える人が増えているのです。

眼鏡をつくる時は

 調節緊張があると通常の視力検査では近視が強く出てしまい、そのまま眼鏡をつくると過矯正、つまり強すぎるということになりかねません。
 ですので緊張をとる方法で視力を確認する必要があり、そうすると今より弱い眼鏡、場合によっては眼鏡なしでも視力が出る場合があります。

眼科医に相談を

 本人は見にくいと感じるでしょうが、過矯正は自律神経に負担をかけることになり体調不良まできたすことがあります。
 症状がある方は、一度眼科専門医に相談してみることをお勧めします。

金井たかはし眼科 院長

高橋 義徳(たかはし よしのり)

1990年山形大学医学部卒業後、同大学眼科講師、ウプサラ大学留学を経て2007年10月に金井たかはし眼科を開院。日本眼科学会専門医。山形県眼科医会理事。

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