山形コミュニティ新聞WEB版

内科あれこれ

痛風

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 今回は、やまコミ編集長もお悩みの痛風のお話です。

尿酸値の上昇が原因

 痛風は乱れた食生活やアルコールの過剰摂取などで血液中の尿酸値が上昇することで発症します。尿酸値が上がるとその結晶が関節内にたまり、剥がれ落ちた塊が関節炎を引き起こします。
 足の指、特に親指の付け根やくるぶし、ひじなどに多くあらわれ、関節が赤く腫れあがって強い痛みを伴います。痛みは強烈で、「風が吹いても痛む」ことがその語源ともいわれています。

治療の基本

 治療としては、まず痛みを抑えるために抗炎症剤を処方します。炎症が収まったら、その後は尿酸値を下げる薬を処方します。この時、急に尿酸値を下げると発作が起こりやすくなるため、最初は少ない量から始め、徐々に増やしながら適正な量を決定します。
 医師向けの治療書である「今日の治療指針」では、尿酸の結晶を屋根に積もった雪、痛風発作を屋根から雪がなだれ落ちる様に例えて説明しています。急に温めると雪が屋根から落ちてしまうので、雪崩を起こさないようにゆっくりと温めて溶かしましょうという意です。

食生活のバランスを

 痛風でお悩みの患者さんはよく「何を食べたらいいのか」と質問されるのですが、尿酸の元となるプリン体が少ない食品でも逆にコレステロールが多かったりします。
 ですから、その質問にはいつも「バランスよく食べてください」とお話ししています。

野菜◎、アルコール×

 そのうえで、やはり野菜を多くとること。野菜には尿をアルカリ性にする効果があり、尿酸の排泄を促します。あとはアルコールを控えることでしょう。

きくち内科医院 院長

菊地 義文(きくち よしふみ)

1985年(昭和60年)東北大学医学部卒業。同大医学部第三内科を経て96年に山形市立病院済生館へ。2013年4月に「きくち内科医院」開院。

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