内科あれこれ
LDLコレステロール
今回はLDL(低比重リポタンパク)コレステロールのお話です。
大切なコレステロール
コレステロールにはLDLとHDL(高比重リポタンパク)の2つのタイプがあり、俗に前者は悪玉コレステロール、後者は善玉コレステロールと称されます。
ただコレステロール自体は生命維持のための大切な役割を担っており、善玉と悪玉の種類があるわけではありません。
リポタンパクとは?
コレステロールは脂肪の一種で、肝臓でつくられて血液で体のすみずみに運ばれます。ただ脂肪ですからそのままでは血液に溶けず、特別な〝運び手〟が必要になります。それがリポタンパクと呼ばれるものです。
リポタンパクの一種であるLDLは、コレステロールを運ぶトラックのようなものと考えればいいでしょう。
多すぎると動脈硬化に
大切な役割を担うコレステロールも、多すぎると動脈の壁にコレステロールがたまり、血液の通り道が狭くなって動脈硬化の原因になります。
LDLに含まれているコレステロール、つまりLDLコレステロール値から、どれだけ動脈硬化を起こしやすいかが推定できるわけです。そして治療によりLDLコレステロールを下げることで動脈硬化を減らせることが分かっています。
120ミリグラム/デシリットル以下に
回りくどい話になりましたが、結局のところLDLコレステロールを「悪玉コレステロール」と呼んでもあながち間違いではなさそうですね。
以前にコレステロール値が血液1デシリットル当たり180ミリグラムを超えたら要注意と申し上げましたが、喫煙・高血圧・糖尿病などのリスクがある方、特に男性は120ミリグラム以下に抑えるべきという考えもあります。
きくち内科医院 院長
菊地 義文(きくち よしふみ)
1985年(昭和60年)東北大学医学部卒業。同大医学部第三内科を経て96年に山形市立病院済生館へ。2013年4月に「きくち内科医院」開院。