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内科あれこれ

家庭血圧の決まり

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 今回は、家庭で血圧測定する場合の意外に知られていない「決まり」について、日本高血圧学会のガイドラインに沿ってお話ししましょう。

血圧計の選び方

 まず血圧計ですが、電器店で売っている物で十分です。ただ手首に巻くタイプは不正確なことが多いので、上腕(二の腕)に巻くタイプを選びましょう。
 測定する環境は、静かで適当な室温の場所を選び、原則として背もたれ式の椅子に足を組まずに座って測ります。測定前の喫煙や飲酒、カフェインの摂取はNGです。

測定は朝と夜の各2回

 測定するのは朝と夜で、それぞれ2回測って平均値を記録します。
 朝の測定は起床後1時間以内、排尿後、食事前に行います。またこの時期の朝は室温が下がっていることが多く、暖房をつけて部屋が温まってから測りましょう。
 夜は就寝前に測定しますが、入浴後は約1時間の間隔を空けること。

上が135以上なら

 こうして「家庭血圧」を1週間ほど続けて測定していくと、血圧が徐々に落ち着いてくることが分かるほか、どんな時に血圧が上がりやすくなるかも分かるはずです。
 そして1週間たって上(最高血圧)の平均値が135メートルHg以上、下(最低血圧)85メートルHg以上なら高血圧と診断されます。
 高血圧はがん以外のほとんどの病気の原因になるとされます。脳卒中や心筋梗塞になれば、命にかかわらなくともその後の生活に大きな制限が加わります。

豊かな生活のためにも

 有意義な生活を維持するために、血圧のコントロールには若いうちから気を付けていたいものです。そのためには自分で血圧を測る習慣を身につけましょう。

きくち内科医院 院長

菊地 義文(きくち よしふみ)

1985年(昭和60年)東北大学医学部卒業。同大医学部第三内科を経て96年に山形市立病院済生館へ。2013年4月に「きくち内科医院」開院。

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