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内科あれこれ

新型コロナウイルス「2類相当」から「5類」へ

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 新型コロナウイルスの感染症法の位置づけが、結核などの「2類相当」から季節性インフルエンザと同じ「5類」に引き下げられて約1カ月が過ぎました。

都会から県内に波及

 日本でコロナの感染が広がり始めたのが2020年の初めごろ。当初は大都市での感染が主で、「東京に行ってきた」というだけで犯罪者のようにみられたものです。
 その後、山形市内でも飲食店などでクラスターが発生するようになり、当院でもPCR検査体制を整えました。当院に通院されていた方が施設に入所し、コロナに感染して死亡するというケースもありました。

オミクロン株で潮目変化

 潮目が変わったのは22年になってオミクロン株が主流になって以降です。急激に患者さんが増え、すべての患者さんをホテルなどで隔離することが困難になりました。当院でも1年間で約160人もの陽性者が出たほどです。
 この間、大規模な医療機関や、県から独立して間もない山形市保健所の関係者の方々はご苦労なさったことでしょう。

さらなる流行の兆しも

 流行が一服し、2類相当から5類に引き下げられたといっても、コロナがなくなったわけではありません。実際、この1カ月の間、感染者や濃厚接触者への外出自粛要請がなくなり、飲食や旅行の制限もなくなったことでさらなる流行の兆しも出ています。

感染対策を万全に

 今の時期、大切なことは感染対策を怠らないことでしょう。万一、自己検査で陽性が判明したら発症翌日から5日間は外出を控えましょう。
 また5日目も症状が続くようなら、症状がなくなってから24時間たつまでは外出を控えることを心がけてください。

きくち内科医院 院長

菊地 義文(きくち よしふみ)

1985年(昭和60年)東北大学医学部卒業。同大医学部第三内科を経て96年に山形市立病院済生館へ。2013年4月に「きくち内科医院」開院。

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