山形コミュニティ新聞WEB版

泌尿器講座

大衆薬で私見

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 昨今、ドラッグストアや通信販売で手軽に泌尿器疾患関連の大衆薬が入手できるようになりました。当院にも、初診前に服用していたという方が少なからずおられます。

 大衆薬の多くは生薬や漢方薬を主成分にしているようです。目につくのは、膀胱炎(ぼうこうえん)のお薬で「五淋散(ごりんさん)」、頻尿(ひんにょう)のお薬で「ノコギリヤシ」の配合をうたった商品群です。
 患者さんからよく「大衆薬って本当に効くの?」というご質問をいただきますので、私なりの見解を申し述べたいと思います。

五淋散配合の大衆薬

 まず五淋散ですが、名称は「5つの淋病を直す」というのが由来です。漢方の世界でいう淋病とは「排尿時の不調」の意味で、日本における性感染症の淋病ではありません。
 5つの淋病とは尿路結石、頻尿や尿漏(も)れ、尿の濁り、排尿異常、排尿時の痛みや血尿で、五淋散はこれらを治すとされる11種類の生薬からなる漢方薬です。

医師の立場からは…。

 日本で多く使われ始めたのは40年ほど前からで、「効果が出た」との声があるのは事実です。
 ただ、そもそも膀胱炎だったのかどうかという原因検索がなされていない以上、私の立場からは「膀胱炎に効きます」とは申し上げられないのが実情です。

ノコギリヤシは「?」

 ノコギリヤシは北アメリカ南東部の湿地帯に生育するヤシ科の植物で、葉がノコギリのような形をしています。様々な症状に対するサプリメントとして販売されていますが、日本では処方薬として認可されていません。
 また男性への投与に関しての安全性は確認されていますが、女性や子どもに対する安全性や副作用についてはほとんどわかっていません。

やはり専門医で受診を

 以上は私見ですが、やはり症状を感じたらお近くの泌尿器科を受診することをお勧めします。

いしい腎泌尿器科クリニック 院長

石井 達矢(いしい たつや)

1999年(平成11年)山形大学医学部卒業。山形大学附属病院、山形市立病院済生館、公立置賜総合病院勤務などを経て、2020年(令和2年)5月いしい腎泌尿器科クリニックを開業。医学博士。日本泌尿器科学会認定専門医・指導医。日本医師会認定産業医。

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