山形コミュニティ新聞WEB版

泌尿器講座

尿路結石の予防

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 救急車を呼ぶほどの激烈な痛みを伴う尿路結石。今回は尿路結石の予防策をまとめました。

水分補給と減塩

 まずは「水分補給」です。脱水状態になると尿が濃縮して結石ができやすくなります。
 「減塩」も心がけましょう。結石の成分で一番多いのはカルシウムで、塩分摂取が多いと尿中へのカルシウム排出が増加し、結石ができやすくなります。

骨粗しょう症、尿酸値

 「骨粗しょう症の予防」も大切です。骨粗しょう症になると骨からのカルシウムが尿中に流出して結石ができやすくなります。そのためには適切なカルシウムの摂取や筋トレなど骨に刺激が加わる運動を行いましょう。
 「適度な尿酸値」を維持しましょう。過去に尿路結石ができたことがあり、尿酸値が高い方の場合、尿酸生成抑制薬を内服して尿酸値をコントロールすることが尿路結石の予防になります。

シュウ酸との向き合い方

 尿路結石の中で最も多いのがシュウ酸カルシウム結石で、「シュウ酸の過剰摂取を避ける」こともお忘れなく。ただシュウ酸を多く含む食材はホウレンソウやタケノコ、ナッツ類、紅茶などポリフェノールやミネラルも豊富で、積極的に摂りたい食材が多いのが悩ましいところです。
 そこで食べ方にひと工夫を。まずシュウ酸は水溶性なので野菜類は茹でればシュウ酸が排出されます。次にシュウ酸はカルシウムと結合するので、一緒にカルシウムを摂取するのがポイント。
 ホウレンソウに鰹節をかけたり、紅茶はミルクティーならシュウ酸はほとんど吸収されません。

夕食は早めに

 結石は就寝中に形成されやすく、就寝前4時間以内に飲食を行うと結石ができやすくなるとされます。そのため「夜遅くの飲食を避ける」を心がけましょう。

いしい腎泌尿器科クリニック 院長

石井 達矢(いしい たつや)

1999年(平成11年)山形大学医学部卒業。山形大学附属病院、山形市立病院済生館、公立置賜総合病院勤務などを経て、2020年5月いしい腎泌尿器科クリニックを開業。医学博士。日本泌尿器科学会認定専門医・指導医。日本医師会認定産業医。

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