コロナウイルスワクチン接種への心配事
コロナワクチン接種が進むにつれ、当院でもワクチン接種に関する質問が激増しています。代表的な疑問にお応えしましょう。
体調不良時は避けて
まず生ワクチンではないので接種によるコロナ感染はありません。予防接種は体調が良い時にするのが基本。急性疾患なら病気が治って2週間を目安に。はしかなど免疫を抑制する疾患は4週間は間を置きましょう。
1回目と2回目の間隔は、米ファイザー社は3週間後、米モデルナ社は4週間後が目安で、それを超えれば速やかに接種を受けましょう。
他のワクチンは?
原則としてコロナワクチンとそれ以外のワクチンは同時期に接種できません。他のワクチンを接種する必要がある時は、片方のワクチンを接種してからもう片方のワクチンを接種するまで2週間空ける必要があります。
例えば、全3回の子宮頸がんワクチンを接種中にコロナワクチン接種の案内が届いたら、子宮頸がんワクチン接種の日にちを困らないように調整する必要があります。
心当たりのある方はかかりつけの産婦人科に早めに相談してください。
妊娠をご希望の方へ
ネットなどでは根拠のない情報が飛び交っていますが、 現時点では接種を受けて不妊になるというデータはありません。
希望する妊婦さんはワクチンを接種することができます。妊娠中の方は器官形成期(妊娠12週まで)は避けて出産を行う病院にご相談を。日本産婦人科学会ホームページの「新型コロナウイルス感染症」をご参考に。
コロナが重症化すると
コロナ感染症が重症化した場合、リスクの1つが血栓症。産婦人科では妊娠中や出産前後に血栓症リスクが高まり、低用量ピルやホルモン補充療法でもリスクがわずかながら増えます。
コロナワクチン接種には何ら問題はありませんが、もしコロナ感染した場合は速やかに産婦人科にご連絡を。また皆様ご存知のように日常で最も血栓症リスクが高まるのは喫煙です。
このタイミングでぜひ禁煙をなさいませんか。
真理子レディースクリニック 院長
伊藤 真理子(いとう まりこ)
1986年山形大学医学部卒業。山大病院、篠田病院を経て2005年6月に真理子レディースクリニックを開業。日本産婦人科学会認定産婦人科専門医。