山形コミュニティ新聞WEB版

真理子先生の女性のミカタ

子宮頸がんワクチン

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 高校1年の年齢にあたるお嬢さまのもとにこの春、市町村から子宮頸がんを予防するHPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチン接種の「ご案内」が届いたはずです。

高校1年は最後の機会

 定期接種は無料で、対象は小学6年から高校1年までの女子。つまり高校1年は無料接種のラストチャンスなのです。
 しかも接種は初回、1カ月後(又は2カ月後)、6カ月後の計3回必要で、高校1年のお嬢さまの場合、9月中に初回を済ませないと3回目が無料になりません。
 昨年は諸事情の関係で市町村からの「ご案内」が届いたのは秋でしたが、今年の滑り出しは順調のようです。

予防効果は約70%

 HPVには200種類以上の型がありますが、子宮頸がんの原因になりうるのは16種類。定期接種に用いられるのは2つの型を防ぐ2価ワクチンと、4つの型を防ぐ4価ワクチンの2種類で、予防効果はいずれも70%とされます。
 性交渉でHPVがうつることが子宮頸がんの原因となります。将来コンドームのない性交渉があったなら「子宮頸がん検査」を欠かさなければ、さらに子宮を万全に守ることに繋がります。
 今年2月には予防効果が90%近い9価ワクチンも認可されました。定期接種を受けそびれた年代の方には、こちらをお勧めしています。

コロナワクチンに注意

 ワクチンといえば世間はコロナワクチンの話題で持ち切りですが、コロナワクチンの前後2週間に他のワクチンを接種することはできません。
 コロナワクチンは若い方の接種もこれから本格化するはずですが、子宮頸がんワクチンもコロナワクチンの前後2週間には接種できません。
 ちなみに子宮頸がんワクチンはコロナワクチンと同じ部位に接種する、肩の筋肉注射です。

早めに接種計画を

 最後に、繰り返しになりますが高校1年のお嬢さまは御家族と相談して早めに子宮頸がんワクチン接種の計画を立てましょう。大切な子宮を守るために。

伊藤真理子先生

真理子レディースクリニック 院長

伊藤 真理子(いとう まりこ)

1986年山形大学医学部卒業。山大病院、篠田病院を経て2005年6月に真理子レディースクリニックを開業。日本産婦人科学会認定産婦人科専門医。

真理子レディースクリニック

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