真理子先生の女性のミカタ
子宮頸がん(3)
厚生労働省は4月、子宮頸がんの原因であるHPV(ヒトパピローマウイルス)への感染を予防するワクチンの定期接種について、9年ぶりに積極勧奨を再開しました!
定期接種の勧奨再開
定期接種は無料です。対象は小学6年生から高校1年生に相当する女性だけ。年齢は性交渉を行う前に接種するのが最適で、12~13歳ごろが最も効果的とされますが、効果の持続期間やワクチン接種の意味を本人が正しく理解するうえでも、もう少し時期を遅らせてもいいという考え方もあります。
ワクチンは3種類
現在、日本で認可されているHPVワクチンは3種類。HPVには多くの型がありますが、定期接種の対象は2つの型の感染を防ぐ2価と4つの型の感染を防ぐ4価で、これらでHPVの60~70%をカバーします。
9つの型の感染を防ぐ9価ワクチンの予防効果は約90%ですが、接種する場合は自費負担になります。
筋肉注射を3回
ワクチン接種はいずれも肩に針を刺す筋肉注射で、決められた間隔で計3回行います。初回から2回目は2価なら1カ月間、4価なら2カ月の間隔を置き、3回目は初回から6カ月後が目安です。学校のスケジュールなども考慮して時期を決めましょう。
広域接種も選べます
山形県ではコロナワクチンと同様、お住まいの市町村以外でワクチンが接種できる「広域接種」を取り入れています。ただしHPVワクチンの場合は事前の手続きが必要な場合もあります。
希望される方は、住民票のある各市町村の窓口にお問い合わせ下さい。通院中の他の市町村のクリニックなどでも接種できますので。
真理子レディースクリニック 院長
伊藤 真理子(いとう まりこ)
1986年山形大学医学部卒業。山大病院、篠田病院を経て2005年6月に真理子レディースクリニックを開業。日本産婦人科学会認定産婦人科専門医。