真理子先生の女性のミカタ
子宮頸がん(4)
これまでHPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチンの定期接種の機会を逃してしまった人を対象に、4月から「キャッチアップ接種」が始まっています。
キャッチアップ接種
対象は1997年4月2日~2006年4月1日生まれで、3回の接種が完了していない女性。1回も接種していない人は3回、1回接種した人は2回、2回接種した人は1回、それぞれ無料で接種できます。
また同期間中に自費で接種した人には、接種費を負担する償還払いも併せて実施します。いずれも期間は3年です。
お住まいの市町村外でも
山形市にお住まいの人の場合、市から7月前半までに御案内の封筒が届いているはずで、記憶があいまいな方は母子手帳などで確認して下さい。
キャッチアップ接種は定期接種と同様、お住まいの市町村以外の医療機関でも接種可能です。ただ事前に手続きが必要な場合もあり、住民票のある市町村窓口にお問い合わせ下さい。
上の世代でも有効
キャッチアップ世代よりも上の年代でも、子宮頸がんを予防するHPVワクチンは有効です。
ただ残念なことに、この年代は無料でHPVワクチンを接種する機会はこれから先もなさそうで、全て自費負担ということになります。
90%を予防する9価
以前にもご紹介しましたが、日本で認可されているHPVワクチンは3種類で、定期接種もキャッチアップも対象は2価と4価の2種類。2種類でHPVの60~70%がカバーできます。ハイリスクHPVの90%弱をカバーする9価ワクチンもあります。
9価ワクチンは少々高めで、自費負担になりますが、ご検討されてみてはいかがでしょうか。
真理子レディースクリニック 院長
伊藤 真理子(いとう まりこ)
1986年山形大学医学部卒業。山大病院、篠田病院を経て2005年6月に真理子レディースクリニックを開業。日本産婦人科学会認定産婦人科専門医。