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ブレインフード

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 読者の皆さんは「ブレインフード」という言葉をご存知ですか?

脳に良い食べ物

 ブレインフードとは簡単に言うと「脳に良い食べ物」のことで、脳に欠かせない栄養成分が豊富に含有されている食べ物を指します。
 子どもの脳の発育を促すことはもちろん、加齢や疾患から大人の脳を守る働きもブレインフードには求められます。

地中海料理と日本食

 ブレインフードとして海外で注目されているのが地中海料理。地中海料理は穀物、野菜、果物、オリーブオイル、魚、ワインを積極的に使い、糖類、肉の脂などの飽和脂肪酸、食塩の摂取を制限しているのが特徴です。
 また疫学調査からは魚、野菜、キノコ、海藻、大豆食品、果物を多く含む日本食が認知症のリスクを軽減すると報告されています。

具体的な食材は?

 地中海料理と日本食に共通する魚、特にサバやイワシなどの青魚はDHAとEPAという不飽和脂肪酸を多く含んでいます。タマゴの黄身にもDHAとEPAは豊富です。また大豆には記憶や集中力に関わるレシチンや抗酸化物質のポリフェノールが、ナッツには抗酸化作用があるビタミンEが、カカオには抗酸化物質のテオブロミンやフラボノイドが豊富に含まれています。
 このほか、ホウレンソウやニンジン、ブロッコリー、カボチャなどの緑黄色野菜には、ほかの野菜と比べて多くのビタミンやカロテンが含まれています。

サプリメントは?

 現時点では認知症の予防に確実に有効という特定の栄養成分は不明です。実際、WHOのガイドラインでもビタミンB、E、複合サプリメントなどは効果がなく、推奨されないと明記されています。あくまで先ほど述べたようなバランスの良い多様な食品から摂取することが有用とされています。

TFメディカル 嶋北 内科・脳神経外科クリニック 医師

佐藤 篤(さとう あつし)

2002年山形大学医学部卒業。山大医学部附属病院、山形済生病院、済生館病院などを経て現職。日本脳神経外科学会認定脳神経外科専門医。医学博士。

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