天気と頭痛
県内も間もなく梅雨に入りますが、今回は天気と頭痛の関係についてお話ししましょう。
高湿度や低気圧で症状
「雨が降ると頭痛の症状が出る」「雨の日の頭痛がキツい」という患者さんの声をよく耳にします。実際、片頭痛患者の約50%は天候の変化によって症状が現れるという報告や、気圧や気温の変化で頭痛患者が増えるという報告はあります。
米ハーバード大では調査の結果、(1)高湿度 (2)低気圧 (3)高温の順に頭痛に与える影響が大きいと発表しています。
一般に雨の日は気圧が下がることが多く、同大の発表に従えば、梅雨時期の頭痛発作は高湿度や低気圧に原因があると思われます。
雨の日当日か前後か
気圧は低いほど頭痛が起きやすいというわけではなく、平均的な気圧(ヘクトパスカル)1013より低い1003~1007で最も起きるとされています。
ただ個人差もあるため、大切なのは自分の頭痛が雨の前後の日なのか、雨当日なのかなど自分の特徴を把握しておくことでしょう。
対処方法は?
天気の影響で頭痛が起きやすい日に、寝不足、飲酒などのもうひとつの要因が加わると強い頭痛が起きてしまうので、まずは生活リズムを乱さないように心がけましょう。
湿度に関しては、エアコンのドライモードを使用し快適に感じる湿度40~60%をひとつの目安にしてみて下さい。ただ除湿は大切ですが、体が冷えすぎると首や肩の凝りを引き起こすことにより緊張型頭痛を誘発してしまいますので、体が冷えすぎないように注意しましょう。
予防薬もあります
また、梅雨や台風の時期に合わせて、短期間に「抗CGRP抗体薬」などの予防療法も、梅雨の時期の頭痛の軽減効果が期待できます。
TFメディカル 嶋北 内科・脳神経外科クリニック 医師
佐藤 篤(さとう あつし)
2002年山形大学医学部卒業。山大医学部附属病院、山形済生病院、済生館病院などを経て現職。日本脳神経外科学会認定脳神経外科専門医。医学博士。