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睡眠時無呼吸症候群

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 睡眠時無呼吸症候群(SAS)は睡眠中に何回も呼吸が止まり、ぐっすり眠ることができない病気です。患者さんの割合は100人中2~3人と身近な疾患です。

大事故につながることも

 SASの症状としては「いびきをかく」「夜に息が止まる」「息苦しくて何度も目が覚める」「夜中に何度もトイレに行く」「日中強い眠気を感じる」「朝起きて頭痛がする」「記憶力や集中力が低下する」「なかなか疲れがとれない」など様々です。
 また、睡眠中に呼吸が止まり、血中の酸素濃度が低下することで、高血圧症、不整脈、虚血性心疾患、心不全、脳血管障害、糖尿病などを引き起こすこともあります。
 さらには運転中の居眠りなどで大事故につながったケースも報道されています。

簡易検査と精密検査

 このようにSASは厄介な病気ですが、治療法が確立されているため適切に対応すれば心配はありません。
 思い当たる症状がある方は、まずは自宅で簡易検査を行いましょう。ここでSASが疑われた場合、病院で1泊2日の日程で精密検査を行い、睡眠中に呼吸が止まったり、呼吸が浅くなったりする回数を調べて「軽症」「中等症」「重症」に区分します。

治療の主流はCPAP

 治療は重症度に応じてCPAP(シーパップ、持続陽圧呼吸療法)、マウスピースの装着、手術、減量などを選択します。最も一般的なCPAPとは、専用マスクを鼻にとりつけて寝ている間も気道に空気を送り込む方法です。 
 CPAPを使うと、ほとんどの患者さんがいびきをかかなくなり、日中の眠気も改善するといわれています。

思い当たる症状があれば

 様々な症状のうち思い当たるものがひとつでもある方は、一度検査を受けてみることをお勧めします。

さとう花の森呼吸器内科クリニック 院長

佐藤 千紗(さとう ちさ)

山形市生まれ。山形西高から北里大医学部に進み、2006年に同大卒業後に山形済生病院で初期研修医。同病院呼吸器内科、山大附属病院第一内科などを経て22年12月に「さとう花の森呼吸器内科クリニック」を開院。日本内科学会総合内科専門医、日本呼吸器学会呼吸器専門医。

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