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薬物乱用頭痛

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 読者の皆さんに質問です。頭痛の種類で1番多いのが「緊張性頭痛」、2番目が「片頭痛」ですが、3番目に多い頭痛をご存知ですか?

薬の飲みすぎが原因

 正解は「薬物使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛)」です。
 文字通り頭痛薬が原因になる頭痛で、その症状や特徴としては(1)月に15日以上の頭痛があり、月10日以上は鎮痛剤を内服する(2)朝起きた時から頭痛がする(3)締め付けられるような頭痛やズキズキする頭痛がおきる(4)以前に比べ薬が効かなくなってきた(5)頭痛への不安から薬が手放せない――などがあります。

もとの頭痛は片頭痛

 この頭痛は、片頭痛が悪化することで鎮痛剤の飲み過ぎになる人が90%までを占めると報告されています。
 また患者さんのパターンとして(1)働き始めたばかりでストレスを抱えている若者(2)仕事や育児に追われている中高年(3)軽度の認知機能障害や不安を有し、頻繁に鎮痛薬を使用する高齢者――の3つに大別されます。

カフェインに注意を

 特に市販の鎮痛剤の大部分に含まれるカフェインには注意が必要で、カフェインは薬物乱用頭痛になるリスクが高いとされています。
 もともと頭痛がある人が、腰痛や生理痛などで鎮痛剤を多用することで薬物乱用頭痛になることも分かっています。

専門機関に相談を

 治療は、原因薬剤の中止と予防薬の投与の2つの組み合わせが効果的とされます。海外からの報告では、新たな片頭痛治療薬である「抗CGRP関連薬」も有効とのことです。
 薬物乱用頭痛は長い間続くと、予防薬が無効な人も多くなるため、お悩みの方は一度、専門機関を受診されることをお勧めします。

TFメディカル 嶋北 内科・脳神経外科クリニック 医師

佐藤 篤(さとう あつし)

2002年山形大学医学部卒業。山大医学部附属病院、山形済生病院、済生館病院などを経て現職。日本脳神経外科学会認定脳神経外科専門医。医学博士。

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