山形コミュニティ新聞WEB版

健康講座・医学のうんちく

ネット購入のリスク

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 バイアグラ、シアリアスといった勃起不全(ED)治療薬は羞恥心(しゅうちしん)からか病院での処方を敬遠される人がいます。だからと言って、ネットなどで安易に入手するのも考えものです。

ED治療薬に不純物も

 ネットで販売されているED治療薬は、表示通りの薬効成分が含まれないものや、汚染物質や不純物(塗料、印刷用インクなど)、健康被害をもたらす物質(アンフェタミン、カフェイン、抗寄生虫薬など)を含有する偽造品が出回っていることが報告されています。
 

ネット販売の半数が偽造品という報告もあり、偽造品の温床となっている一面もあります。

海外では死亡例も

 海外では死亡例もあるほか、日本でも2011年に偽造シアリスに含有されていた血糖降下薬のために低血糖をきたした例や、15年には偽造バイアグラでも同様の症状がみられた例があります。

安全性も軽視か

 精力増強に効くとされるテストステロン製剤のネット販売も同様です。 

 米・ノースウェスタン大の研究チームは22年、テストステロン製剤を販売するサイトの訪問数が17年から19年の間に1500%増加していることを報告しています。
 

 このうち7つの販売サイトを調べたところ、リスクを開示しているのは1サイトだけ。販売可能な値を設けていたのも1サイトだけでした。また、テストステロン製剤の販売に加え、様々な医薬品の適応外使用を勧めるサイトもありました。
 

 テストステロン欠乏症でない男性に販売することをいとわず、使用の安全性にあまり配慮していないことが明らかになったわけです。

医療機関を受診して

 日本ではED治療薬、テストステロン製剤のいずれも医師の処方箋が必要な医薬品です。安易にネット販売に頼らず、医療機関を受診して利用することをお勧めします。

山形徳洲会病院院長

笹川 五十次(ささがわ いそじ)

1982年 富山医科薬科大学(現富山大学)医学部卒業、86年同大学大学院修了後、ハワイ州立大学医学部を経て、04年に山形徳洲会病院副院長、08年から現職。日本泌尿器科学会認定泌尿器科専門医、日本透析医学会認定透析専門医、日本腎臓学会認定腎臓専門医。

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