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禁煙のススメ

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 喫煙ががんをはじめ様々な病気の原因になることは広く知られています。近年は加熱式など新型タバコも登場していますが、病気のリスクが減るわけではありません。

ニコチン依存症かも

「体に悪いのはわかってるのに喫煙がやめられない」という人は、意志が弱いのではなく、「ニコチン依存症」の可能性があります。


 ニコチン依存症の人はニコチンが切れるとイライラやストレスを感じるようになります。そんな時に喫煙すると快感物質(ドーパミン)が放出されるので「タバコでリラックスできる」と錯覚してしまうのです。

禁煙補助薬の活用も

ニコチンはコカインやヘロインと同じぐらい依存性が強く、ニコチン依存症は立派な病気です。「TDSニコチン依存度テスト」という質問表で5点以上ならニコチン依存症と判定されます。


 その場合、自力で禁煙するのは難しいことも多く、禁煙補助薬、カウンセリングが有効です。禁煙補助薬は従来、飲み薬のバレニクリンと貼り薬のニコチネルが使われてきましたが、前者は2年前から出荷停止になっており、現在の禁煙補助薬の選択肢はニコチネルだけです。

成功者の明るい声

 

 禁煙すると2日後には鈍っていた味覚、嗅覚が正常になり、3日経つと気管支、肺機能が改善し始めます。5年経つと肺がんのリスクは喫煙者の半分まで低下します。


 禁煙に成功した人に聞くと「喫煙場所を探す必要がなくなった」「後ろめたさがなくなった」「家族が喜んでくれて一緒に過ごす時間が増えた」「体を動かすのが楽しくなった」など、「禁煙して良かった」という声がほとんどです。

今日から始めましょう!

 1人で悩まずに、禁煙外来を利用するのもオススメです。禁煙に成功した後には清々しい未来が待っていますよ。

さとう花の森呼吸器内科クリニック 院長

佐藤 千紗(さとう ちさ)

山形市生まれ。山形西高から北里大医学部に進み、2006年に同大卒業後に山形済生病院で初期研修医。同病院呼吸器内科、山大附属病院第一内科などを経て22年12月に「さとう花の森呼吸器内科クリニック」を開院。日本内科学会総合内科専門医、日本呼吸器学会呼吸器専門医。

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